• トップ
  • 家の性能 徹底解説
  • 「コンパクトなのに広く感じる間取り」に共通する3つの条件|間取りにメリハリをつける方法【良い間取りの共通点⑤】

家の性能 徹底解説

2019.09.28

「コンパクトなのに広く感じる間取り」に共通する3つの条件|間取りにメリハリをつける方法【良い間取りの共通点⑤】

間取りに無駄なスペースが多すぎる。

これまで多くの間取りを見る中で、私が常々感じてきたことです。この記事では、「コンパクトなのに広く感じる間取り」の作り方を紹介します。大切なのは、間取りにメリハリをつけることです。

<コストカットすべき場所と贅沢にすべき場所の見極めを>

「コンパクトなのに広く感じる間取り」に共通する3つの条件

 

 

「コンパクトなのに広く感じる間取り」を作るために

「コンパクトなのに広く感じる間取り」を作るための考え方は、大きく2つです。

・無駄なスペースはとことん削る

意図のないスペースや無駄に長い廊下は、たとえ半畳であっても認めません。半畳は約1/4坪ですから、坪単価が60万円とすれば、半畳は15万円かかっているということです。(単純計算ですが)

意図のない買い物に15万円かけませんよね?それと同じです。家は総額がでかく、だんだん金銭感覚が麻痺してきますのでご注意を。無駄なスペースはとことん削りましょう。

・優先度の高い部分は贅沢に

家族が集まるリビングや収納をケチってはいけません。間取りは、メリハリです。全部豪華にしてもだめだし、全部けちってもだめです。無駄を削るところと、贅沢にお金を掛ける部分を間違わないようにしましょう。

<無駄なスペースはとことん削る!>

無駄なスペースを"削る"イメージ

【結論】「コンパクトなのに広く感じる間取り」に共通する3つの条件

「コンパクトなのに広く感じる間取り」に共通する3つの条件は、以下の通りです。

①廊下・通路を徹底的に削減
②玄関・客間・2階居室を適正サイズに
③リビング・収納スペースを贅沢に

①廊下・通路を徹底的に削減

まず、廊下や通路を徹底的に減らしましょう。意識すべき場所は、4か所です。

・階段の位置を中央部に
まず重要なのが、階段の位置/階段の上がりきる場所です。階段の上がりきる場所が、2階の中央に近ければ近いほど、2階の廊下を短くすることができます。

逆に、階段の上がりきる場所を2階の外側に配置してしまうと、廊下だらけの2階間取りになってしまいます。1階との兼ね合いもあるので、階段の位置は非常に難しいのですが、中央付近に上げるように意識することは頭にいれておいてください。

<良い間取り実例:階段が中央にあり、二階廊下が短い>
階段を中央部に配置する良い間取り実例

・玄関ホールから直接リビングへ
次に、玄関ホールからリビング(orダイニング)に直接入る動線にすることです。こうすることで、玄関→リビングの通路を短くすることができます。

逆に例えば、玄関→キッチン→ダイニング→リビングと言う動線にしてしまうと、動線が多くなり、自由に使えるスペースが減ってしまいます。

<良い間取り実例:玄関ホールから直接リビングへ>

玄関ホールから直接リビングに入る良い間取り実例

・居室の入口と収納の距離を近く
居室の入口と収納をなるべく近くに配置します。すると、居室内の通路が減り、家具を置けるスペースを増やすことができます。

逆に、居室の入り口と収納を遠い場所に配置してしまうと、居室内が通路だらけになってしまい、部屋の広さの割に家具を置けるスペースが少なくなってしまいます。

<良い間取り実例:入口と収納が近い(赤い部分以外には家具を置ける)>

入口と収納が近い良い間取り実例

 

・子供部屋にベランダを配置しない

子ども部屋にベランダを配置してしまうと、部屋入口からベランダまでの通路と、ベランダへのテラス窓の近くに家具を置けませんので、家具を置くスペースが少ない、とても狭く感じる部屋になってしまいます。

ベランダは、廊下からがベスト。それが無理なら、比較的広さに余裕のある主寝室に配置。子ども部屋には絶対に配置しないように、気をつけましょう。

<悪い間取り実例:子供部屋にバルコニーを配置(赤い部分に家具置けない)>

子ども部屋にバルコニーを配置した悪い間取り実例

 

②玄関・客間・2階居室を適正サイズに

無駄なスペースは廊下を削ったら、次は優先順位が低い部分を、適正サイズに抑えましょう。以下、3か所です。

・玄関を適正サイズに
昔は、玄関は家の顔でしたが、時代は変わりました。過度に見栄を張らなくても大丈夫です。人にどう見られるか?より、家族が快適に暮らせるか?を優先しましょう。

玄関の土間部分とホールの面積は、シューズボックスのスペースを除いて、それぞれ「4.5尺×4.5尺(壁芯1,365mm×1,365mm)」程度で十分です。土間部分とホールを広くとれるならば、その分収納を増やしましょう。

<良い間取り実例:適正サイズの玄関ホール(1,365mm×1,365mm)>
玄関の適正サイズ

・客間はリビング一体で
よく、1階に客間を作りたいという方がおられますが、よくよく考えてみてください。365日のうちの何日間、我が家に客が宿泊するでしょうか?わずか数日ではありませんか?

もちろん1階に客間を作ること自体は、将来の主寝室を兼ねるので良いと思いますが、完全に独立させてしまうことには反対です。年間数日しか来ない客のために、スペースを確保するのはもったいないです。

なので、客間はリビング併設で配置し、普段は家族のためのリビングスペースとして使う。客がきたらそこを客間にする、という考えが効率的です。

扉で仕切れればベストですが、扉のせいでLDKの解放感を損なうくらいなら、扉無し(もしくはロールスクリーン)でも十分だと思いますよ。

<良い間取り実例:リビング一体型の客間(和室)>
リビング一体型の客間(和室)

・2階居室は寝るだけと割り切ろう
2階は寝るだけです。無駄に大きくする必要はありません。2階を大きくできる予算があるなら、できるだけ1階に使いましょう。間取りは平屋がベスト。この基本を忘れずに、2階はコスト削減対象と考えていきましょう。

「ちょうどいい新築戸建住宅の延床面積は?」に対して

ちょうどいい大きさに個人差はありますが、マンションの大きさが一つ指標になると思います。マンションの大きさは、こんな感じ。

60㎡台(18坪~)・・・少し狭め
70㎡台(21坪~)・・・最も多い
80㎡台(24坪~)・・・少し広め
90㎡台(27坪~)・・・贅沢
100㎡以上(30坪~)・・・かなり贅沢
120㎡(36坪)・・・芸能人(!?)

最も多いのが70㎡台で、100㎡を超えるプランはわずか。120㎡は、プレミアムプランとなっていますね。

<マンションは、100㎡超えたらVIPクラス>

マンションの大きさの目安
(出典:大京)

一方、新築戸建住宅になると、「希望は35坪くらいかな~」「最低でも30坪くらいかな~」と言う方が多い印象ですが、35坪(約116㎡)は大きすぎ。マンションでいうと、プレミアムプランであり、芸能人級のサイズです。

30坪もマンションでいえば、贅沢の部類に入りますが、注文住宅は階段スペースがあることや、マンションは収納が不足しがちなことを考えると、適度サイズと言えます。

もちろん、予算に余裕があれば、家を大きくしてもらっても構いませんが、ちょうどいい大きさは「マンション+α」と考え、4LDK30坪前後を目安に考えましょう。

 

③リビング・収納スペースは贅沢に

ここまでがんばって無駄なスペースを削減しましたので、最後は、贅沢にスペースを確保すべき場所の紹介です。優先するべき部分は、以下2か所です。

・最優先はリビング
家の広さの印象は、リビングで決まります。リビングの解放感が居た節です。何が何でもリビングはケチるな!これをしっかり頭に叩き込んでおきましょう。

とは言いつつ、広さには限界がありますので、そんな時は高さを使いましょう。吹き抜けまでしなくても、リビング部分の天井を梁見せにしたり、高天井にするだけで、ガラッとイメージは変わります。

<梁見せで解放感を演出したリビング>

梁見せにするだけで、リビングに解放感がでる
(出典:伸和建設)

・収納も贅沢に
モノが散らかれば、家は狭く見えます。リビングの次に優先すべきは、収納です。マンションの間取りが素晴らしいと以前話しましたが、マンション間取りの弱点は収納の少なさです。

その点、戸建は2階建てで、スペースを確保できるので、収納を確保しやすくなります。特に、1階の収納を十分に確保するように心がけましょう。収納の適切な配置についは、「生活感のない家」を作るための収納基本ルール5選で解説していきます。

<パントリーには非常食完備も忘れずに>
パントリーには非常食常備も忘れずに
(出典:クラフト)

 

「ちょうどいいリビングの広さは?」に対して

リビングの広さの基本は、12尺×12尺(壁芯3,640mm×3,640mm)です。このサイズがあれば、50インチ超のテレビを置いても、狭く感じません。どうしても厳しければ、リビングの奥行10.5尺(壁芯3,185mm)までなら、あり。9尺(2,730mm)になるとかなり狭いです。

逆に、スペースと予算に余裕があれば、12尺以上にしてもらっても構いませんが、柱と柱の距離が遠くなるので、耐震構造に注意しながら設計を進めましょう。

また、ソファーをどの向きに置くのか?ソファとテレビの距離は適切か?ソファとダイニングの距離は確保できるいるか?なども確認してください。繰り返しますが、リビングの広さは最優先です。

<リビングの広さの基本→12尺×12尺(壁芯3,640mm×3,640mm)>

リビングの基本サイズ

 

まとめ

「コンパクトなのに広く感じる間取り」に共通する3つの条件は、以下の通りです。

①廊下・通路を徹底的に削減
②玄関・客間・2階居室を適正サイズに
③リビング・収納スペースを贅沢に

プロデューサー紹介

master

日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
「瀬山彰 NEXT STANDARD LIFE」
◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
「THE PROFESSIONAL」

RECOMMEND関連記事

良い間取りの超基本ルール「1階完結型の間取り」|理想は平屋!【良い間取りの共通点①】

家の性能 徹底解説

2019.9.7

良い間取りの超基本ルール「1階完結型の間取り」|理想は平屋!【良い間取りの共通点①】

「生活感のない家」を作るための収納基本ルール5選|収納の失敗パターンとは?【良い間取りの共通点②】

家の性能 徹底解説

2019.9.8

「生活感のない家」を作るための収納基本ルール5選|収納の失敗パターンとは?【良い間取りの共通点②】

災害に強い家を建てるための3つのポイント|新築時の火災・水災・風災対策【地震・災害・シロアリ対策④】

家の性能 徹底解説

2019.9.6

災害に強い家を建てるための3つのポイント|新築時の火災・水災・風災対策【地震・災害・シロアリ対策④】

間取りの「思っていたイメージと違う…」を回避する4つの対策|3Dシミュレーションソフトの活用【良い間取りの共通点⑥】

家の性能 徹底解説

2019.9.29

間取りの「思っていたイメージと違う…」を回避する4つの対策|3Dシミュレーションソフトの活用【良い間取りの共通点⑥】

家事を楽にするための5つのSTEP|家事が大変になる失敗間取りとは?【良い間取りの共通点③】

家の性能 徹底解説

2019.9.25

家事を楽にするための5つのSTEP|家事が大変になる失敗間取りとは?【良い間取りの共通点③】

朗らかで賢い子どもが育つ間取り4カ条|子供の安全を守る間取りとは?【良い間取りの共通点④】

家の性能 徹底解説

2019.9.27

朗らかで賢い子どもが育つ間取り4カ条|子供の安全を守る間取りとは?【良い間取りの共通点④】

第三者機関の試験で選ばれた太陽光発電システム推奨メーカー一覧|太陽光パネル・パワーコンディショナーの選び方【メンテナンス性能③】

家の性能 徹底解説

2019.7.31

第三者機関の試験で選ばれた太陽光発電システム推奨メーカー一覧|太陽光パネル・パワーコンディショナーの選び方【メンテナンス性能③】

新築時の正しいシロアリ対策|防蟻剤だけではシロアリ被害を防げない【地震・災害・シロアリ対策②】

家の性能 徹底解説

2019.9.5

新築時の正しいシロアリ対策|防蟻剤だけではシロアリ被害を防げない【地震・災害・シロアリ対策②】

Copyright