間取りの「想定外」を防ぐ4つの方法|思っていたイメージと違う…の原因はシミュレーション不足

間取りの「想定外」を防ぐ4つの方法|思っていたイメージと違う…の原因はシミュレーション不足 | 最重要記事

注文住宅を建てた人の多くが、「思っていたイメージと違う…」と後悔をします。例えばこんな感じ。

思っていたより…
・日当たりが悪い
・狭く感じる
・家事動線が悪い
・テレビが近い
・家具を置けない
・外観がださい
・キッチンから子供が見えない など

まずは、「思っていたイメージと違う…」の原因を探っていきましょう。

間取りの「想定外」を防ぐ4つの方法|思っていたイメージと違う…の原因はシミュレーション不足

「思っていたイメージと違う…」がおきる原因

「思っていたイメージと違う」の原因は、完全にシミュレーション不足です。

今は昔と違って、シミュレーションするツールが揃っています。特に3Dシミュレーション技術は進歩しており、完成イメージをリアルに確認することができます。

3Dソフトを導入していない住宅会社は、その時点でアウト。平面図だけで、正確なイメージを持つなんてことは不可能です。VRまでやらなくていいですが、画面上での3Dパース確認は必須と考えておいてください。

<3Dソフトは様々な会社から販売されている>
3Dシミュレーションソフト
(出典:メガソフト

【結論】間取りの「想定外」を防ぐ4つの方法

間取りの「想定外」を防ぐ4つの方法は、以下の通り。

①全部屋の内観3Dパースを確認
②帰り道の視点から、外観3Dパースを確認
③日当たりをシミュレーション
④家具配置をシミュレーション

①全部屋の内観3Dパースを確認

私もプランナーとして、数百件以上の間取りを作ってきましたが、「平面図ではいい感じと思っていたのに、3Dパースだといまいち」なんてことは、正直あります。

ましてや、施主は初めて間取りを作成するわけですから、「平面図から完成イメージをシミュレーションしろ」というのは、到底無理なこと。なので必ず、全部屋の内観を3Dパースでシミュレーションするようにしてください。

窓の高さ一つで、部屋の印象はがらっと変わります。

<全部屋の内観を3Dパースでシミュレーションしよう!>
内観3Dパース 内観3Dパース
(出典:安心計画

②帰り道の視点から、外観3Dパースを確認

次は、外観について。

住宅会社のHPに掲載されているほとんどの外観写真が、家から離れた場所から撮影した「引き」の写真です。「引き」の写真はかっこよく見えます。

しかし現実はどうでしょうか?広い土地や前面道路が広い場合を除くと、ほとんどの場合「引き」の視点で家を眺めることはできません。「引き」より「見上げる」という感じだと思います。特に都心部では前面道路が狭いことが多いですよね。

ですので、帰り道の「見上げる」視点で見たときに、カッコいい外観デザインにするようにしてください。角地の場合には、人通りが多い方向から見て、カッコいい外観デザインにすることを意識してください。

<現実的ではない、「引き」の外観3Dパース>

(出典:安心計画

③日当たりをシミュレーション

最近の3Dソフトでは、日当たりも正確にシミュレーションできるので、必ず隣家を図面上に落として、季節ごとの日当たりをシミュレーションしましょう。日当たりの状況を見ながら、屋根の出幅や庇を調整していくといいですね。

<季節ごとの日当たりシミュレーション>
日当たりシミュレーション

太陽光発電システムを設置する場合は、なおさらです。方角だけでなく、隣家の状況を見ながら、屋根のどの位置に太陽光パネルを設置するか決めるといいでしょう。

また、現状の隣家だけでなく、土地の用途地域などを調べて、最大どれくらいの高さの家が建つ可能性があるか、シミュレーションすると安心です。今は日当たりが良くても、将来大きなマンションが建つことも考えられます。

関連記事:「太陽光発電システム」の失敗しない選び方|太陽光パネル・パワコンのおすすめメーカー紹介

④家具配置をシミュレーション

家が完成して、実際に家具を配置してみると、案外部屋が狭くなってしまった。ということがよくあります。特に、主寝室や子ども部屋などの小さめの部屋は要注意ですので、必ず、家具配置のシミュレーションを行いましょう。

また、家具の配置によって、窓位置の調整も必要です。窓が多すぎると、家具が置けなくなります。

関連記事:「コンパクトなのに広く感じる」間取りに共通する3つの条件|間取りにメリハリをつける方法

<特に小さめの部屋は、家具配置シミュレーションを>

リビングについては、ソファとテレビの距離をしっかり確認しましょう。2,730mm程度しか距離が取れていない間取りを見かけますが、これだと近すぎ。ソファとテレビの距離の目安は、3,185~3,640mm(壁芯)です。

さらに、持ち込み家具の寸法は正確に測定し、ソフト上に配置してみましょう。せっかく注文住宅を建てるのですから、持ち込み家具がぴったりと収まる間取りにしたいところ。家具を置いてみると、意外と動線が悪かった…ということもよくありますので。

関連記事:「家事が楽になる」間取り5つのポイント|最も効率的な洗濯物干し動線とは!?

<持ち込み家具の寸法は、正確に測定し図面に配置>
持ち込み家具の採寸は慎重に

『3Dソフトを導入していない住宅会社はどうするの?』に対して

そんな会社は、候補から外しましょう。施主は数千万円の買い物をするのですから、その程度の投資もしない住宅会社はプロとして失格だと思います。

「外観パースやリビングのパースは作成するので大丈夫ですよ」とか「平面図でイメージできるので大丈夫ですよ」とか、住宅会社のプランナーが言うかもしれませんが、全く当てになりません。

大丈夫かどうかを決めるのは施主であり、平面図から完成イメージをシミュレーションできない施主が、大丈夫かどうか確認する方法は、3Dパースしかありません。なので、間取りの打ち合わせは、必ず3Dパースのシミュレーションソフトを使いながら進めてくださいね。

<3Dシミュレーションソフトを使った打ち合わせ>

3Dシミュレーションソフトを使った間取り打ち合わせ
(出典:安心計画

まとめ

間取りの「想定外」を防ぐ4つの方法は、以下の通り。

①全部屋の内観3Dパースを確認
②帰り道の視点から、外観3Dパースを確認
③日当たりをシミュレーション
④家具配置をシミュレーション

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【文責:瀬山彰】

 

PROFILE

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せやま大学の人

瀬山 彰

大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードの確立を目標に掲げる。その後、中堅ハウスメーカー支店長を経て、2019年に独立。

「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」をテーマにした”ちょうどいい塩梅の家づくり”が話題となり、YouTube「家づくり せやま大学」は、登録者数5万人超えの人気チャンネルに。現在は、優良工務店認定制度「せやま印工務店プロジェクト」の全国展開を推進し、ちょうどいい塩梅の家づくりの普及に努めている。

娘4人の父親。広島県出身、広島カープファン。

間取り実例(せやまどり)

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