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家づくりの基礎知識

2019.10.31

住宅会社の「性能」を見極める方法|11のチェックポイントを完全網羅【住宅会社を比較検討する方法③】

住宅会社は、まず「性能」で絞りましょう。「性能」で絞った上で、「人」で選ぶのがベストです。くれぐれも「性能はよく分からないから、人で選ぼう!」とならないように、住宅会社の「性能」を比較する方法を解説していきます。

【記事内で使うツール】
標準仕様チェック表
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住宅会社の「性能」を見極める方法|11のチェックポイントを完全網羅

まず「性能」で絞るべき理由

建築中の満足度は「人」で決まり、完成後の満足度は「性能」で決まるためです。建築中と完成後、どちらが長いか?を考え、「性能」をまず重視すべき。

「人」で選びたくなる衝動を何とか抑え、まずは「性能」で絞りましょう。「性能」で絞った数社から、「人」で選ぶのがベストです。では早速、住宅会社の「性能」を比較する方法を解説していきます。

「性能」の中で最も大切なのは、基本性能(窓/断熱/気密/換気)です。基本性能だけは、絶対に絶対に抑えてくださいね!

<最初はみんな、性能を重視して住宅会社選びを始める>
住宅会社の決め手は、性能重視から人重視に変わっていく
(出典:住宅金融支援機構)

【結論】住宅会社の「性能」を比較する方法

家の性能は、基本性能(窓/断熱/気密/換気)・メンテナンス・地震・シロアリ・災害対策の3要素から構成ますが、まずは、最も重要な基本性能(窓/断熱/気密/換気)から、各社のレベルを比較していくと良いでしょう。

性能が低い順番に、●●→●●→●●→●●と表記し、黄色マーカーの●●が、ちょうどいい塩梅の推奨グレードです。住宅会社の標準仕様設定を確認し、どのレベルなのか?を比較していくことができます。

標準仕様チェック表を使って解説しますので、ダウンロードしておいてください。

【基本性能(窓/断熱/気密/換気)】

①窓
・サッシ
アルミ→アルミ樹脂→オール樹脂→ウレタン充填オール樹脂

・ガラス
シングル→ペア→Low-Eペア(空気)→Low-Eペア(アルゴンガス)→Low-Eペア(クリプトン・真空)→Low-Eトリプル

・スペーサー
アルミ→樹脂

②断熱
・UA値
省エネ基準以下/断熱等級1~3→省エネ基準クリア/断熱等級4(0.87以下)→ZEH基準クリア(0.6以下)→HEAT20 G1基準クリア(0.56以下)→HEAT20 G2基準クリア(0.46以下) ※()内は6地域の数値

・上部断熱
壁の1倍→壁の2倍→壁の3倍

・下部断熱
床断熱→基礎断熱(+浮造り無垢床)※適切なシロアリ対策必須

・玄関ドア
D4/K4→D3/K3→D2/K2→D1/K1以上

③気密
・C値
気密測定無/2.0超→2.0以下→0.7以下→0.4以下

④換気システム
・種別
第三種換気→第一種換気

・熱交換
熱交換無→顕熱交換のみ→全熱交換80%未満→全熱交換80%以上→全熱交換90%以上

・外部フィルター
フィルター無→花粉対応→PM2.5対応

・機械メンテ(修理費用)
メンテ不能→修理に数十万円かかる→10万円以下で修理可能

・外部フィルターメンテ(位置)
家の中から掃除→家の外から掃除

・内部フィルターメンテ(位置)
手の届かない位置→手の届く低い位置

・ダクトメンテ(種類)
給気経路に使用→排気経路のみ使用

 

<基本性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード>
基本性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード
(標準仕様チェック表より一部抜粋)

【メンテナンス性能】
①外壁・シーリング
・外壁材
モルタル/ALC→窯業系サイディング/金属系サイディング→タイル

・セルフクリーニング機能
無→

・外壁材の保証(色・塗膜)
保証無→10年保証→15年保証→30年保証

・シーリング保証(ひび割れ)
保証無→10年保証→15年保証

②屋根・屋根防水シート・バルコニー防水
・屋根材
スレート/カラーベスト/コロニアル→ガルバニウム鋼板→高級ガルバ/瓦(耐震性は落ちる)

・屋根材の保証(穴あき)
保証無→10年保証→25年保証

・下葺き材(ルーフィング)
アスファルトルーフィング940→改質ゴムアスファルトルーフィング→高級アスファルトルーフィング

・バルコニー防水
シート/FRP防水→板金防水→ステンレス板金防水

③太陽光発電システム
・パネル(モジュール)
高温高湿試験データ公開無→高温高湿試験2000時間未満→高温高湿試験2000時間以上→第三者機関の全検査クリア

・パワーコンディショナー
設計寿命15年未満→15年→20年

<メンテナンス性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード>
メンテナンス性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード
(標準仕様チェック表より一部抜粋)

【地震・シロアリ・災害対策】
①地盤保証・基礎工事
・地盤保証
保証無→10年保証→20年保証

・基礎工事(木造)
布基礎→ベタ基礎(シングル配筋/20mmピッチ)→ベタ基礎(ダブル配筋/150mmピッチ)

②シロアリ対策
・シロアリ対策
防蟻剤吹付け→防蟻剤加圧注入/ネオニコチノイド系の防蟻防湿シート→非ネオニコチノイド系の防蟻防湿シート

・シロアリ保証
保証無→防蟻剤による5年保証→防蟻剤による5年保証→防蟻防湿シートによる10年保証

③設計強度
・耐震等級
以下項目を満たさない耐震等級1→以下項目を満たす耐震等級1/耐震等級2→耐震等級3

・直下率(プラン時)
直下率非公開→壁50%未満→壁50%以上→壁60%以上

・床組
根太工法→剛床工法(川の字釘打ち)→剛床工法(四周釘打ち)

・壁量充足率(全箇所)
1倍以上→1.25倍以上→1.5倍以上→1.8倍以上

・壁率比(全箇所)
非公開→0.5未満→0.5以上

・耐力壁線間距離
非公開→8m以下→4m以下

・梁の厚み(上部柱無)
3P:180/4P:210→3P:210/4P:240→3P:240以上/4P:270以上(1P=910mm)

④災害対策
・火災
非省令準耐火構造→省令準耐火構造

・水災(基礎開口)
地盤から45cmに開口有り→地盤から45cm開口無し(ハザードマップで浸水エリアの場合)

・水災(給湯器配管処理)
シーリング処理無→シーリング処理有

・水災(ハウスシューズ)
ハウスシューズ無→ハウスシューズ有

・風災/空き巣
シャッター無→1階シャッター有→全階シャッター有

<地震・シロアリ・災害対策の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード>
地震・シロアリ・災害対策の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード
(標準仕様チェック表より一部抜粋)

※各項目の詳細については、目次:家の性能 徹底解説(記事まとめ)をご覧ください。

基本性能① 窓

・サッシ
アルミ→アルミ樹脂→オール樹脂→ウレタン充填樹脂

窓の結露、家全体の断熱性能を考えると、オール樹脂サッシ一択。アルミ樹脂だと結露リスク高いです。最も熱の出入りが大きい窓をケチったら、他でどれだけ頑張っても無駄です。

・ガラス
シングル→ペア→Low-Eペア(空気)→Low-Eペア(アルゴンガス)→Low-Eペア(クリプトン・真空)→Low-Eトリプル

ほとんどの住宅会社が、Low-E複層ガラスを採用していますが、中空層はアルゴンガスが高コスパ。トリプルガラスは、さらに断熱性能が高いですが、5~8地域ではオーバースペック。ということで、ちょうどいい塩梅のガラスは、Low-Eペア(アルゴンガス)です。

・スペーサー
アルミ→樹脂

ガラス外周部の結露に影響するスペーサーを、アルミから樹脂に変更する差額は知れています。ちょうどいい塩梅のスペーサーは、樹脂スペーサーです。

<高性能な窓の例>
オール樹脂サッシの窓
<出典:YKK AP>

 

基本性能② 断熱

・UA値
省エネ基準以下/断熱等級1~3→省エネ基準クリア/断熱等級4(0.87以下)→ZEH基準クリア(0.6以下)→HEAT20 G1基準クリア(0.56以下)→HEAT20 G2基準クリア(0.46以下) ※()内は6地域の数値

UA値の基準はたくさんありますが、省エネ基準(0.87以下)は、さすがに甘すぎなので、ちょうどいい塩梅のUA値は、ZEH基準(0.6以下)です。さらに断熱性能が高い、HEAT20 G1G2基準もありますが、コストがぐっと上がるので、余裕があれば考えてみてください。

・上部断熱
壁の1倍→壁の2倍→壁の3倍

夏は家の上部に熱がこもるので、壁よりも上部(屋根や天井)の断熱が重要。なので、壁より厚めの断熱材を。厚ければ厚いほど良いですが、ちょうどいい塩梅の上部断熱は、壁の2倍です。

・下部断熱
床断熱→基礎断熱(+浮造り無垢床)※適切なシロアリ対策必須

底冷えの原因は、床下空間の冷気。基礎断熱にすれば、床下にも暖かい空気が流れ、底冷えは緩和されます。浮造りの無垢床を併用すれば、さらに暖かく感じます。ただし、基礎断熱採用時には、適切なシロアリ対策は必須です。

・玄関ドア
D4/K4→D3/K3→D2/K2→D1/K1以上

窓同様に、玄関ドアの断熱性能にも注意が必要。ちょうどいい塩梅の玄関ドアは、寒冷地仕様のD2/K2です。寒冷地仕様と言われていますが、数値的には、全エリアで採用すべきグレードと言えます。

<UA値の基準(たくさんあってややこしい)>
断熱性能UA値の基準一覧

 

基本性能③ 気密

・C値
気密測定無/2.0超→2.0以下→0.7以下→0.4以下

まず、気密測定をしないのは論外。ちょうどいい塩梅のC値は、0.7以下です。さらに気密性能向上を目指しても良いですが、コストも上がっていきますので、やりすぎには注意が必要しましょう。

高気密高断熱住宅に必要不可欠な気密測定の様子
(出典:福田温熱空調)

 

基本性能④ 換気システム

・種別
第三種換気→第一種換気

最も安価な第三種換気は、家全体の適切な換気ができず、外部の熱や汚染物質が室内に入り込みます。ちょうどいい塩梅は、第一種換気ですが、メンテナンスに配慮していない第一種換気は絶対ダメです。

・熱交換
熱交換無→顕熱交換のみ→全熱交換60%以上→全熱交換80%以上→全熱交換90%以上

熱交換無(第三種換気等)では、窓を開けているのと同じです。顕熱(温度)のみならず、潜熱(湿度)も熱交換する全熱交換を選択しましょう。ちょうどいい塩梅の熱交換率は、80%以上です。90%以上のタイプもありますが、80%との差を実感できるほどの違いはありません。

・外部フィルター
フィルター無→花粉対応→PM2.5対応

外部フィルター無では、外部の排気ガスや花粉がそのまま室内に入りこみます。せっかく付けるなら、花粉のみならず、PM2.5対応のフィルターを付けたいところ。PM0.3対応のフィルターなどもありますが、余裕があればで良いかと思います。

<熱交換の仕組み>
高気密高断熱住宅に必要不可欠な熱交換システムのイメージ

・機械メンテ(修理費用)
メンテ不能→修理に数十万円かかる→10万円以下で修理可能

壊れたら修理できない施工(1階と2階の間に設置等)は論外で、天井や壁埋め込みなどの、修理費用が数十万円以上かかる施工もいけません。10万円以下で修理可能な施工にしましょう。高気密高断熱住宅での換気は、健康の維持のために超超超超重要です。

・外部フィルターメンテ(位置)
家の中から掃除する位置→家の外から掃除する位置

家の中から外部フィルターを清掃するタイプは、避けましょう。外部フィルターには、排気ガスや花粉・虫などがこびりつきますので、家の中から清掃するには精神的苦痛が伴います。外部フィルターは必ず、家の外から清掃できる位置に設置する必要があります。

・内部フィルターメンテ(位置)
手の届かない位置→手の届く位置

内部フィルター(換気扇)を高い位置にすると、フィルター掃除が難しく、結果的にフィルターの目詰まりで換気不足になります。なので、内部フィルターは、手の届く位置への設置を推奨します。

・ダクトメンテ(種類)
給気経路に使用→排気経路のみ使用

ダクトを給気経路に使うのはNG。ダクト内のホコリが部屋に供給されます。ダクト式の全館空調が、その最たる例でオススメできません。推奨できるのは、ダクトを排気経路にのみ使用したダクト式換気システムです。

<悪い例:メンテナンスに配慮していない換気システム>
選んではいけない24時間換気システム
(出典:某住宅会社)

メンテナンス① 外壁・シーリング

基本性能に続いて、メンテンス性能を解説していきます。

・外壁材
モルタル/ALC→窯業系サイディング/金属系サイディング→タイル

モルタルなどの塗り壁は、完成直後のデザイン性が高く人気ですが、数年経過すると汚れが目立ってきます。耐火性の高いALCもメンテナンス性・防水性は低い。となると、ちょうどいい塩梅の外壁材は、窯業系サイディング。金属系サイディングもありですね。

・セルフクリーニング機能
無→

窯業系サイディングの表面汚れを落とす、セルフクリーニング機能は必須です。

・外壁材の保証(色・塗膜)
保証無→10年保証→15年保証→30年保証

表面コーティングの種類によって、保証年数が変わってきます。ちょうどいい塩梅の外壁材の保証は、色・塗膜保証15年です。

・シーリング保証(ひび割れ)
保証無→10年保証→15年保証

通常品質のシーリング(コーキング)を使うと、10年程度でメンテナンスが必要になりますので、ちょうどいい塩梅のシーリング保証は、ひび割れ15年保証です。各サイディングメーカーが、アップグレード品として用意しています。

<15年保証の高耐久シーリング>
 15年保証の高耐久シーリング
(出典:ニチハ)

メンテナンス② 屋根・下葺き材(ルーフィング)・バルコニー防水

・屋根材
スレート/カラーベスト/コロニアル→ガルバニウム鋼板→瓦(耐震性は落ちる)

絶対に避けたいのが、カラーベスト・スレート・コロニアルと呼ばれるスレート屋根。ちょうどいい塩梅の屋根材は、耐久性と価格のバランスが良いガルバニウム鋼板です。瓦は、表面汚れには強いですが、耐震性が低いなどの理由で、採用率は下がっています。

・屋根材の保証(穴あき)
保証無→10年保証→25年保証

ガルバニウム鋼板を採用した場合の話ですが、表面加工のグレードによって、保証年数が変わってきます。ちょうどいい塩梅の屋根材の保証は、穴あき25年保証です。

・下葺き材(ルーフィング)
アスファルトルーフィング940→改質ゴムアスファルトルーフィング→高級アスファルトルーフィング

絶対に避けたいのが、アスファルトルーフィング940。ちょうどいい塩梅の下葺き材(ルーフィング)は、改質アスファルトルーフィングです。さらにグレードの高い高級ルーフィングもありますが、そこまでやらなくて良いと思います。

・バルコニー防水
シート/FRP防水→板金防水→ステンレス板金防水

FRP防水やシート防水は、10年程でメンテナンスが必要。ちょうどいい塩梅のバルコニー防水は、準防火地域でも対応しやすい板金防水です。耐久性と価格のバランスが良いですね。ステンレス板金防水もありますが、少しやりすぎです。

<改質アスファルトルーフィング>
雨漏りを防ぐ改質アスファルトルーフィング
(出典:常裕パルプ工業)

メンテナンス③ 太陽光発電システム

・パネル(モジュール)
高温高湿試験データ公開無→高温高湿試験2000時間未満→高温高湿試験2000時間以上→第三者機関の全検査クリア

性能の低い太陽光パネル(モジュール)は、発電量がどんどん落ちます。見極めは難しいですが、高温高湿試験2000時間以上が目安。具体的な長寿命パネル型番は、第三者機関の試験で選ばれた太陽光発電システム推奨メーカー一覧で紹介しています。

・パワーコンディショナー
設計寿命15年未満→15年→20年以上

性能の低いパワーコンディショナーは、10年で故障リスクが高まります。製品品質なら、ダントツでSMA(設計寿命20年以上)ですが、アフター体制がネック。アフター体制を優先するなら、オムロン(設計寿命15年程度)もありです。

<パワーコンディショナー>
太陽光発電システムの選ぶポイント パワーコンディショナー
(出典:オムロン)

地震・シロアリ・災害対策 ①地盤保証・基礎工事

・地盤保証
保証無→10年保証→20年保証

ちょうどいい塩梅の地盤保証は、10年保証。ただし、地盤改良のやりすぎは禁物。地盤調査結果には、工事をしたい地盤改良工事会社の思惑が影響するので、保証がでるのであれば、それ以上の過剰工事はしないと考えることを推奨します。

・基礎工事(木造)
布基礎→ベタ基礎(シングル配筋/200mmピッチ)→ベタ基礎(ダブル配筋/150mmピッチ)

ちょうどいい塩梅の基礎工事は、ベタ基礎(シングル配筋/200mm)です。ダブル配筋や配筋ピッチを150mmにすれば、さらに強度は上がりますが、予算に余裕があればで良いかと思います。

<ベタ基礎>
家の安全を守るベタ基礎

 

地震・シロアリ・災害対策 ②シロアリ対策

・シロアリ対策
防蟻剤吹付→防蟻剤加圧注入/ネオニコチノイド系の防蟻防湿シート→非ネオニコチノイド系の防蟻防湿シート

薬剤による対策は、経年劣化や他木材への侵食、薬剤が届かない小口からの被害などを防げません。なので、ちょうどいい塩梅のシロアリ対策は、非ネオニコチノイド系の防蟻防湿シートです。ネオニコチノイド系の防蟻防湿シートだと、経年劣化で効果が落ちていきます。

・シロアリ保証
保証無/5年保証→薬剤による10年保証→防蟻防湿シートによる10年保証

シロアリ保証は5年とする住宅会社が多いですが、薬剤での保証のため推奨しません。同じく薬剤による10年保証も非推奨。ちょうどいい塩梅のシロアリ保証は、防蟻防湿シートによる10年保証です。

<防蟻剤より長期的にシロアリ対策効果がある、非ネオニコチノイド系の防蟻防湿シート>
最も効果の高いシロアリ対策の一つ
(出典:九州テクノ工販)

地震・シロアリ・災害対策 ③設計強度

・耐震等級
以下項目を満たさない耐震等級1→以下項目を満たす耐震等級1/耐震等級2→耐震等級3

以下項目を満たしてくれる設計士であれば、耐震等級1で十分。以下項目を見せて「???」って感じの設計士であれば、耐震等級2取得を推奨します。耐震等級3は、プランの自由度が下がり、壁量が大きくなるだけなので、必須ではないと考えます。

・直下率(プラン時)
直下率非公開→壁50%未満→壁50%以上→壁60%以上

直下率は、耐震性・気密性・コストに大きく影響を及ぼす項目なのに、建築基準法や耐震等級基準でもクリア数値が設定されていないので、施主の意識が頼り。プランの時から意識しましょう。ちょうどいい塩梅の直下率は、壁50%以上。60%以上だとプランの自由度が下がります。

<直下率のイメージ>
優秀な設計士かどうか見極めるポイント 直下率
(出典:NHK)

・床組
根太工法→剛床工法(川の字釘打ち)→剛床工法(四周釘打ち)

床組は、水平面の強さに影響します。剛床工法が主流になりつつありますが、床倍率が低い剛床工法(川の字釘打ち)を採用する会社も多いので注意。ちょうどいい塩梅の床組は、床倍率の高い剛床工法(四方釘打ち)です。

・壁量充足率(全箇所)
1倍以上→1.25倍以上→1.5倍以上→1.8倍以上

建築基準法クリアぎりぎり(1倍強)だと、完全に壁量不足。ちょうどいい塩梅の壁量充足率は、耐震等級2の基準に近い1.5倍以上。壁量だけ大きく見せて、耐震等級●相当!とする会社もいますが、壁量だけ大きくしても意味がありません。

・壁率比(全箇所)
非公開→0.5未満→0.5以上

壁は量だけではなく、東西・南北のバランスも大切。ちょうどいい塩梅の壁率比は、0.5以上(壁量のバランスを1:2以下に抑える)です。特に、南に窓を多く配置するので、南北のバランスに注意しましょう。

・耐力壁線間距離
非公開→8m以下→4m以下

家外周部の耐力壁だけでなく、家の中心部に耐力壁を配置することをチェックする項目。ちょうどいい塩梅の耐力壁線間距離は、8m以内です。理想は4m以下ですが、壁が増えて空間の解放感が失われます。

・梁の厚み(上部柱無)
3P:180/4P:210→3P:210/4P:240→3P:240以上/4P:270以上(1P=910mmスパン)

梁の厚みは、床組と同様に水平面の強度を決めます。ちょうどいい塩梅の梁の厚みは、3P:210/4P:240。上部に柱が乗っかる場合は、1本につき30mmアップが基本です。

<ちょうどいい塩梅の床組:剛床工法(四周釘打ち)>
床組は、剛床工法(四周釘打ち)を推奨
(出典:日本合板工業組合連合会)

地震・シロアリ・災害対策 ④災害対策

・火災
非省令準耐火構造→省令準耐火構造

10年で元が取れて、火災に強くなるのが、省令準耐火構造。木造住宅の場合、省令準耐火構造にすると火災保険金額が半額くらいになります。

・水災(基礎開口)
地盤から45cm開口有り→地盤から45cm開口無し(ハザードマップで浸水エリアの場合)

火災保険が適用できない床下浸水(地盤から45cm以下)が増えているため、対策が必要です。ハザードマップで浸水リスクのある地域では、地盤から45cm開口無しにしましょう。住宅会社に事前に言っておけば、追加金額無しで対応できると思います。

・水災(給湯器配管処理)
シーリング処理無→シーリング処理有

エコキュートの配管から床下浸水するリスクがあるので、必ずシーリング処理を行いましょう。

・水災(基礎保護材)
ハウスシューズ無→ハウスシューズ有

基礎のコンクリート部分にハウスシューズを施工すると、防水性が高まります。見た目もきれいになっていいですよ。

・風災/空き巣
シャッター無→1階シャッター有→全階シャッター有

台風等による飛来物被害を防ぐには、全ての窓にシャッターを付けるのがベストですが、予算の関係もあるので、まずは、1階シャッターを必須と考えましょう。シャッターを付けることで、外部からの侵入を抑制することができ、空き巣対策にもなります。

<ハザードマップ>
土地探しで事前にチェックすべきハザードマップ
(出典:大阪市)

まとめ

家の性能は、基本性能(窓/断熱/気密/換気)・メンテナンス・地震・シロアリ・災害対策の3要素から構成ますが、まずは、最も重要な基本性能(窓/断熱/気密/換気)から、各社のレベルを比較していくと良いでしょう。

性能が低い順番に、●●→●●→●●→●●と表記し、黄色マーカーの●●が、ちょうどいい塩梅の推奨グレードです。住宅会社の標準仕様設定を確認し、どのレベルなのか?を比較していくことができます。

標準仕様チェック表を使って解説しますので、ダウンロードしておいてください。

【基本性能(窓/断熱/気密/換気)】
①窓
・サッシ
アルミ→アルミ樹脂→オール樹脂→ウレタン充填オール樹脂

・ガラス
シングル→ペア→Low-Eペア(空気)→Low-Eペア(アルゴンガス)→Low-Eペア(クリプトン・真空)→Low-Eトリプル

・スペーサー
アルミ→樹脂

②断熱
・UA値
省エネ基準以下/断熱等級1~3→省エネ基準クリア/断熱等級4(0.87以下)→ZEH基準クリア(0.6以下)→HEAT20 G1基準クリア(0.56以下)→HEAT20 G2基準クリア(0.46以下) ※()内は6地域の数値

・上部断熱
壁の1倍→壁の2倍→壁の3倍

・下部断熱
床断熱→基礎断熱(+浮造り無垢床)※適切なシロアリ対策必須

・玄関ドア
D4/K4→D3/K3→D2/K2→D1/K1以上

③気密
・C値
気密測定無/2.0超→2.0以下→0.7以下→0.4以下

④換気システム
・種別
第三種換気→第一種換気

・熱交換
熱交換無→顕熱交換のみ→全熱交換80%未満→全熱交換80%以上→全熱交換90%以上

・外部フィルター
フィルター無→花粉対応→PM2.5対応

・機械メンテ(修理費用)
メンテ不能→修理に数十万円かかる→10万円以下で修理可能

・外部フィルターメンテ(位置)
家の中から掃除→家の外から掃除

・内部フィルターメンテ(位置)
手の届かない位置→手の届く低い位置

・ダクトメンテ(種類)
給気経路に使用→排気経路のみ使用

 

<基本性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード>
基本性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード
(標準仕様チェック表より一部抜粋)

【メンテナンス性能】
①外壁・シーリング
・外壁材
モルタル/ALC→窯業系サイディング/金属系サイディング→タイル

・セルフクリーニング機能
無→

・外壁材の保証(色・塗膜)
保証無→10年保証→15年保証→30年保証

・シーリング保証(ひび割れ)
保証無→10年保証→15年保証

②屋根・屋根防水シート・バルコニー防水
・屋根材
スレート/カラーベスト/コロニアル→ガルバニウム鋼板→高級ガルバ/瓦(耐震性は落ちる)

・屋根材の保証(穴あき)
保証無→10年保証→25年保証

・下葺き材(ルーフィング)
アスファルトルーフィング940→改質ゴムアスファルトルーフィング→高級アスファルトルーフィング

・バルコニー防水
シート/FRP防水→板金防水→ステンレス板金防水

③太陽光発電システム
・パネル(モジュール)
高温高湿試験データ公開無→高温高湿試験2000時間未満→高温高湿試験2000時間以上→第三者機関の全検査クリア

・パワーコンディショナー
設計寿命15年未満→15年→20年

<メンテナンス性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード>
メンテナンス性能の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード
(標準仕様チェック表より一部抜粋)

【地震・シロアリ・災害対策】
①地盤保証・基礎工事
・地盤保証
保証無→10年保証→20年保証

・基礎工事(木造)
布基礎→ベタ基礎(シングル配筋/20mmピッチ)→ベタ基礎(ダブル配筋/150mmピッチ)

②シロアリ対策
・シロアリ対策
防蟻剤吹付け→防蟻剤加圧注入/ネオニコチノイド系の防蟻防湿シート→非ネオニコチノイド系の防蟻防湿シート

・シロアリ保証
保証無→防蟻剤による5年保証→防蟻剤による5年保証→防蟻防湿シートによる10年保証

③設計強度
・耐震等級
以下項目を満たさない耐震等級1→以下項目を満たす耐震等級1/耐震等級2→耐震等級3

・直下率(プラン時)
直下率非公開→壁50%未満→壁50%以上→壁60%以上

・床組
根太工法→剛床工法(川の字釘打ち)→剛床工法(四周釘打ち)

・壁量充足率(全箇所)
1倍以上→1.25倍以上→1.5倍以上→1.8倍以上

・壁率比(全箇所)
非公開→0.5未満→0.5以上

・耐力壁線間距離
非公開→8m以下→4m以下

・梁の厚み(上部柱無)
3P:180/4P:210→3P:210/4P:240→3P:240以上/4P:270以上(1P=910mm)

④災害対策
・火災
非省令準耐火構造→省令準耐火構造

・水災(基礎開口)
地盤から45cmに開口有り→地盤から45cm開口無し(ハザードマップで浸水エリアの場合)

・水災(給湯器配管処理)
シーリング処理無→シーリング処理有

・水災(ハウスシューズ)
ハウスシューズ無→ハウスシューズ有

・風災/空き巣
シャッター無→1階シャッター有→全階シャッター有

<地震・シロアリ・災害対策の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード>
地震・シロアリ・災害対策の建材一覧と「ちょうどいい塩梅」の推奨グレード
(標準仕様チェック表より一部抜粋)

※各項目の詳細については、目次:家の性能 徹底解説(記事まとめ)をご覧ください。

プロデューサー紹介

master

日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
「瀬山彰 NEXT STANDARD LIFE」
◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
「THE PROFESSIONAL」

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