• トップ
  • 家の性能 徹底解説
  • 窓の種類と失敗しない選び方|サッシ・窓ガラス・スペーサーの推奨レベル【断熱・気密・換気性能①】

家の性能 徹底解説

2019.07.23

窓の種類と失敗しない選び方|サッシ・窓ガラス・スペーサーの推奨レベル【断熱・気密・換気性能①】

絶対に窓選びに失敗してはいけない

快適な家を建てるためには、絶対に窓選びに失敗してはいけません。理由は簡単。熱の大半は、窓から出入りするからです。次の図を見てください。

冬寒くなる原因は窓から流出する熱
(出典:YKK AP)

冬は、50%以上の熱が、窓から逃げていることがわかります。夏はどうでしょうか?

夏暑い原因は窓から流入する熱
(出典:YKKAP HP)

夏は、70%以上の熱が、窓から入っていますね。このように、熱の大半が窓から出入りしているから、窓選びは重要なんです。

で、こんな大切な窓を、施主のみんなはきちんと選べているのか?という点ですが、残念ながら、ほとんどの施主が窓選びに失敗しています。窓選びの失敗は家づくりの失敗なんですけどね・・・。窓選びに失敗した後(入居後)に、「営業マンは結露しないと言っていたのにめっちゃ結露する」「窓際がめっちゃ寒い」と言う声をよく耳にします。

家を建てる前に、窓の重要性を理解し、正しい窓の選び方を勉強していきましょう。内容はさほど難しくありません。さあ、始めましょう。

窓の種類と失敗しない選び方

 

【結論】ちょうどいい塩梅の『窓』は?

ちょうどいい塩梅の「窓」は、以下の通りです。

①サッシ ⇒ オール樹脂
②窓ガラス ⇒ Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り)※
③スペーサー ⇒ 樹脂 
※省エネ基準地域区分1~3のエリアの場合は、Low-Eトリプルガラス(アルゴンガス)検討を推奨。

窓選びのポイントは、3つだけです。

※ちょうどいい塩梅の「●●」とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という”ちょうどいい塩梅主義”に基づいてセレクトされた推奨レベル。

窓のパーツ(サッシ・窓ガラス・スペーサー)

①サッシの種類

サッシは主に3種類あり、アルミ→アルミ樹脂複合→オール樹脂と、性能が上がっていきます。

<性能高い>
オール樹脂サッシ

アルミ樹脂複合サッシ(半樹脂)

アルミサッシ
<性能低い>

<サッシの断熱性比較>
サッシの断熱性能比較(アルミ・アルミ樹脂複合・オール樹脂)
(出典:YKK AP)

注文住宅を建てる人の多くが、「アルミ樹脂複合サッシVSオール樹脂サッシ問題」にぶち当たることと思います。アルミ樹脂複合サッシ(半樹脂)とは、家の内側が樹脂で、外側がアルミのサッシのこと。オール樹脂サッシは、家の内側も樹脂、外側も樹脂のサッシのことです。

大きく分けて、大手ハウスメーカーを中心とした「アルミ樹脂複合サッシ(半樹脂)」派と、高気密高断熱住宅を推進する工務店などを中心とした「オール樹脂サッシ」派に分かれています。

サッシ(窓枠)は、結露や断熱性能に大きく影響を与えるので、ここで間違えると取り返しがつきません。結論は、オール樹脂一択なのですが、アルミ樹脂複合サッシ派の意見にも触れながら、窓サッシの選び方について解説していきます。

<樹脂サッシを推奨しながら、アルミ樹脂複合サッシも販売する企業のジレンマ(現実)>
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシを両方販売する企業のジレンマ
(出典:YKK AP)

サッシは、「オール樹脂」一択の理由

オール樹脂一択の理由は、以下の通りです。

・窓はお金のかけどころ
前記事で触れた通り、窓は最も熱が出入りする箇所です。そこにお金をかけずして、家の性能を担保することはできません。良好な住み心地を確保するために、最もお金をかけるべきポイントといっても過言ではありません。

・アルミの熱伝導率は樹脂の約1,000倍
これはよく知られていますが、アルミは、樹脂の約1,000倍熱を伝えやすい素材なので、窓の素材には不向きです。


(出典:JFEロックファイバー株式会社HP)

・オール樹脂サッシのコストが下がってきた
以前は高価であったオール樹脂サッシも、近年安価になりつつあります。住宅会社と窓メーカーの交渉次第ですが、「オール樹脂サッシしか使わない!」と窓メーカーに交渉すれば、アルミ樹脂複合サッシより安価に仕入れできる場合もでてきています。

アルミ樹脂複合サッシが主流の日本において、オール樹脂サッシは、「過剰スペック」として扱われているように感じます。「アルミ樹脂複合サッシ派」の主張について、考えていきましょう。

 

「アルミ樹脂複合サッシでも結露しないのでは?」の検証

「アルミ樹脂複合派」の主張で、必ず登場します。地域区分4,5,6,7,8地域であれば、冬はさほど寒くならないので、アルミ樹脂複合サッシでも十分結露しない、というもの。寒冷地を除く多くの都道府県が、4,5,6,7,8地域に分類されています。では、実際に検証していきましょう。

省エネ基準地域区分
省エネ地域区分
(出典:三菱電機HP)

以下、実験結果を見てください。これは、<室内温度20℃・室外温度0℃・相対湿度50%>と言うよくある環境で、アルミ樹脂複合サッシとオール樹脂サッシがどれほど結露するかを確認した実験です。

まず、アルミ樹脂複合サッシの結露状況から。

 
【アルミ樹脂複合サッシの結露状況】
アルミ樹脂複合サッシ(半樹脂サッシ)の結露状況
(出典:YKK AP)
 

結露しています。この条件の露点温度(下回ると結露が始まる温度)は、9.3℃ですが、最低だと1.8℃まで下がっていることが分かります。その他でも、9.3℃を下回っている箇所が多く、アルミ樹脂複合サッシが結露するのは、明らかです。

ただし、この実験は、オール樹脂サッシを推奨しているYKK APが行ったものなので、多少割り引いて考える必要があります。と言えど、この結果からは、アルミ樹脂複合サッシでは、結露する可能性が高いと言わざるを得ません。

【アルミ樹脂複合サッシの表面温度】
アルミ樹脂複合サッシ(半樹脂サッシ)の表面温度
(出典:YKK AP)
 
一方、オール樹脂サッシの結露状況です。

【オール樹脂サッシの結露状況】

オール樹脂サッシの結露状況
(出典:YKK AP)
 
結露していません。

オール樹脂サッシの表面温度を見ていきましょう。露点温度は9.3℃ですが、最低でも10.4℃であることが分かります。これなら結露しません。

 
【オール樹脂サッシの表面温度】
オール樹脂サッシの表面温度
(出典:YKK AP)
 
 
このように、アルミ樹脂複合サッシとオール樹脂サッシの差は歴然であり、アルミ樹脂複合サッシの場合だと、<室内温度20℃・室外温度0℃・相対湿度50%>という”よくある条件”でも結露してしまうことが分かります。
 
 

「4,5,6,7,8地域は、0℃以下になることは少ないのでは?」の検証

でも、温暖な地域(例えば6地域の大阪)って、0℃以下になることなんてあるの?と言う疑問が出てくると思います。実際のデータで検証していきましょう。
 
以下、2018年1月の大阪市の気温データです。
大阪市の気温データ
(出典:気象庁HP)
 
温暖な印象がある大阪(6地域)でも、0℃を下回る日が割と多いことが分かります。先ほどの実験結果から推察すると、5℃前後を下回ると結露する可能性が高まるので、アルミ樹脂複合サッシだと、冬のほとんどの日で結露発生リスクを抱えてしまうことになります。
 
 

「オール樹脂サッシの樹脂は、耐久性がないのでは?」の検証

「アルミ樹脂複合サッシ派」住宅会社の、鉄板トークと言ってもいいでしょう。
「樹脂は洗濯ばさみやバケツと同じです」
「樹脂は紫外線で劣化します」
「だから家の外側はアルミがいいのです」

こんな感じでしょうか。

確かに、洗濯ばさみやバケツは樹脂であり、古くなるとぼろぼろと壊れてしまいますね。なので、考えるべきは、オール樹脂サッシに使われる樹脂と洗濯ばさみの樹脂が一緒なのか?ということです。

もし一緒ならば、アルミ樹脂複合サッシ派の意見は正しいのですが、さすがにね、それはありえません。

 
洗濯ばさみやバケツに使われている樹脂は、「ポリプロピレン(PP)」という素材。オール樹脂サッシに使われている樹脂は、「塩ビ(PVC)」という素材です。

「塩ビ」は、水道パイプや車のダッシュボードなどに使われる耐久性の高い素材なので、当然ながら洗濯ばさみのように、ぼろぼろ壊れてしまうことはありません。そもそも、家の建材に洗濯ばさみと同じ樹脂素材を使うなんてことはありえません。

 
オール樹脂サッシには、水道管などにも使われる耐久性の高い塩ビを使っている
 
また、紫外線についてはどうでしょうか?これも、「アクリル積層」という技術を使い、耐候性を高めています。屋外暴露試験も十分に行われ、30年ほど前に設置されたオール樹脂サッシも問題なく使われています。

おそらく、オール樹脂サッシを採用した場合、サッシより先に金物が傷んでくるのではないかと思われますが、金物の傷みはアルミ樹脂複合サッシも同じです。

 
 

「大手ハウスメーカーが、アルミ樹脂複合サッシを採用する理由は?」に対して

正確な理由は、当事者に聞かないと分かりません。あくまで推定ですが、以下理由が考えられます。

・プレハブ住宅の特性
プレハブ鉄骨住宅は、工場で作られますが、アルミ樹脂からオール樹脂に変更すろと、工場設備をすべて更新しなくてはいけません。同じ窓でも、サッシが違えば仕様が全く異なりますので、すべて設備を更新となると、かなりの投資になると思われます。

・窓メーカーとの契約
大手ハウスメーカーは、アルミ樹脂複合サッシを窓メーカーから大量に仕入れることで、かなり安く仕入れていると思われます。これをオール樹脂サッシに変えるとなると、やはりコストアップは避けられないでしょう。

・一般社団法人プレハブ建築協会
大手ハウスメーカーが所属する一般社団法人があります。通称「プレ協」です。この法人は住宅業界において絶大な力を誇り、国の制度設計にも大きく影響を与えます。

以下ご覧の通り、大手ハウスメーカー社長が、役員にずらり。この中で、誰かが抜け駆けをし「オール樹脂サッシ」を標準仕様に採用すれば、他企業も対応を強いられることになります。と言う配慮があるのかもしれません。(これはあくまで推測です)

大手ハウスメーカーが所属するプレハブ建築協会のホームページ

プレハブ建築協会役員名簿
(出典:一般社団法人プレハブ建築協会)

繰り返しておきますが、「窓に熱伝導率の高いアルミを使う」というのは、世界的に見ると完全に時代遅れです。

何もかにも世界標準に合わせる必要はありませんが、独自の進化を遂げた日本のアルミ文化が、日本の家の住環境を悪化させている事実に、住宅業界は真摯に目を向けるべきだと思います。

<樹脂窓普及率>
日本のオール樹脂サッシ普及の遅れ
(出典:YKK AP)

 

②窓ガラスの種類

窓ガラスは、シングル(単板)→ペア(複層)→Low-Eペア→Low-Eトリプル(三層)と、性能が上がっていきます。

いまどき、シングルやペア(Low-Eではない)を採用する会社は、かなり時代に取り残されていると思ってもらってOKです。Low-Eガラスとは、ガラスの内側に断熱性能を高める金属膜をコーティングしているガラスのことでで、ほとんどの住宅会社が採用しています。

<性能高い>
Low-Eトリプル(三層)

Low-Eペア(複層)

ペア(複層)

シングル(単板)
<性能低い>
窓ガラスの種類解説
(出典:AGC)

また、ペアガラス間の層(中空層)に何を注入するか?によってグレードが異なります。空気→アルゴンガス→クリプトンガス→真空、と、性能が上がっていきます。

<性能高い>
Low-Eペア(真空)

Low-Eペア(クリプトンガス)

Low-Eペア(アルゴンガス)

Low-Eペア(空気)
<性能低い>

<ペアガラスの中空層>
窓ガラスの中空層のイメージ
(出典:AGC)

窓ガラスについて検証すべきは、「Low-Eペアで十分か?Low-Eトリプルが必要か?」という点と「中空層は何にすべきか?」の2点ですね。この2点について、やりすぎずやらなさすぎずの”ちょうどいい塩梅主義”に基づき、検証していきましょう。

“ちょうどいい塩梅主義”とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という考え。ある程度高いレベルを維持しつつ、やりすぎないことで費用を極力抑える、究極の最適バランス主義。

 

窓ガラスは、「Low-Eペアガラス」で十分な理由

冒頭でも触れた通り、窓ガラスにシングルガラスやペアガラス(Low-Eではない)を扱う注文住宅会社はほぼないので、「Low-Eペアで十分か?Low-Eトリプルが必要か?」を考えていきましょう。

Low-Eぺアガラスから、Low-Eトリプルガラスにグレードupすると、断熱性能は1~2割程upし、+坪2~3万円(30坪の家なら60万円以上)必要です。結構費用がかさみます。※仕入れ価格による

実際に、Low-Eペアガラスで、窓の表面温度はどれくらいになるのか?私の自宅で計測してみました。条件は、<室内温度20℃、室外温度6℃、相対湿度50%>です。結果は、18.6℃。露点温度の9.3℃はもとより、室内温度に近い数値がでました。これ以上グレードアップする必要は全然ありません。

また、冬を2回過ごしていますが、お風呂以外では一度も結露していません。ただし、省エネ地域区分1~3地域(かなり寒い地域)であれば、Low-Eトリプルガラスを検討するのはありだと思います。

冬の窓ガラスの温度

中空層は、「アルゴンガス」で十分な理由

Low-Eぺア(空気)から、Low-Eぺア(アルゴンガス)へのグレードupはお得です。断熱性能が1~2割upするのに、費用は+坪1,000~2,000円(30坪の家なら、3~6万円)程度で済みます。※仕入れ価格による

Low-EペアからLow-Eトリプルに変更するより、圧倒的に費用対効果が高いと言えます。クリプトンや真空に変更すると、またぐんと費用がかさみますので、アルゴンガスで「止めておく」というのが、ちょうどいい塩梅で賢明な判断と考えます。

ただし、何度も言っていますが、窓はとても重要な建材なので、凝ったデザインにお金をかけるくらいなら、窓にお金をかけるのは賛成です。お金に余裕があれば、Low-Eトリプルガラスへのグレードupも検討してOKです。

 

「Low-Eペアで本当に結露しませんか?」に対して

絶対に結露しない窓ガラスはありません。室内外の温度や湿度によっては、結露することはあり得ますからね。

<外気温0℃、室内気温20℃・湿度50%>というよくある環境下において、適切に空調を使っていれば、Low-Eペアガラス(アルゴンガス)で結露する可能性は低いです。ただし、前記事の『窓サッシ』をオール樹脂に、次記事の『窓スペーサー」を樹脂にするという条件下であることを付け加えておきます。

【YKKAP】トリプルガラスAPW430
(出典:ロハスクラブHP)

「窓は重要だから、Low-Eトリプルガラスにすべきでは?」に対して

「どこまでやるか?」は、最終的には施主で決めるしかりませんので、正解はありません。Low-Eペアガラスより、Low-Eトリプルガラスの方が断熱性能が上であることは間違いありませんので、予算に応じてさらに上を目指すのはOKです。窓は重要ですからね。

今回、ちょうどいい塩梅の窓ガラスを、Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り)としたのは、やりすぎずやらなさすぎずの”ちょうどいい塩梅”の考え方に基づきます。
ちょうどいい塩梅主義は究極の費用対効果バランス主義

「Low-Eトリプルガラスのデメリットは何ですか?」に対して

コストと重さです。コストは説明済なので割愛します。3枚ガラスなので、それなりに重いです。特に大きな窓だと、女性では開けるのがしんどい場合もあります。重量による枠垂れのリスクもあります。何事も、メリットとデメリットは存在します。

 

③スペーサーの種類

スペーサーの種類は、2種類のみで、アルミ→樹脂と、性能が上がっていきます。

<性能高>
樹脂

アルミ
<性能低>

そもそもスペーサーとは、ガラスとガラスの間のスペースをつくるためのパーツのことで、窓の結露を防ぐ上で、とても重要なパーツです。スペーサー選びを間違えたことで、窓が結露することはよくあるので、しっかり勉強しましょう。と言っても、アルミじゃなく樹脂にするだけですけどね。

<スペーサーの位置>


(出典:YKK AP)

 

スペーサーは、「樹脂」一択の理由

結論、スペーサーは「樹脂」一択。アルミと樹脂の熱伝導率の差は、サッシのところで勉強しましたが、覚えていますか?アルミは、樹脂に比べて1000倍以上熱を通しやすく、断熱性能が低い材料と言えます。熱を通しやすいアルミを、窓に使うべきではないということです。

アルミと樹脂の熱伝導率の違い
(出典:JFEロックファイバー株式会社HP)

現状では、アルミスペーサーの方が圧倒的に多く採用されていますが、アルミから樹脂に変更したところで、30坪程度の家で数万円しかコストは上がりません。たった数万円で、窓ガラスの結露を予防することができるってことです。

なぜ樹脂スペーサーが普及しないのか?ですが、これも施主の知識不足が原因だと思います。施主へのアピール材料にならないのに、多少見積金額が上がって契約に悪影響がでるなら、住宅会社が、わざわざ樹脂スペーサーにするメリットがありませんよね。

「そこを乗り越えて住宅会社が施主のためにやったれよ・・・」と言いたいところですが、施主が賢くなって、住宅会社に求めていく方が手っ取り早いので、施主が勉強していきましょう。簡単です。スペーサーもサッシも樹脂。アルミは使わない。これだけです。

 

「準防火地域用の防火窓は、アルミスペーサーしか選べないようですが?」に対して

その通りです。準防火地域などで使われる防火窓(網目のある窓)は、現状、アルミスペーサーしかありません。ですので、準防火地域に家を建てる時は、引き違い窓にシャッターを付けて、防火対応するようにしましょう。

準防火地域などで使われる防火窓

シャッターを付ければ、準防火地域でも、窓は通常窓でOKですので、樹脂スペーサーを使うことができます。シャッターを付けることができない窓は、アルミスペーサーにするしかありませんが、開口面積の大きな引き違い窓だけでも、樹脂スペーサーを採用できるといいですね。

準防火地域などではシャッターで防火性能担保を

 

「スペーサーの材質程度で、本当に結露が減るのか?」に対して

こんな実験結果があります。

<室外温度0℃、室内温度20℃、湿度50%>というよくありそうな環境下において、窓の窓枠側の温度を測った実験です。その結果、アルミスペーサーの場合の、ガラス(窓枠側)の表面温度は8~9℃。樹脂スペーサーの場合は、11~12℃くらいになりました。

温度差はわずか3℃ですが、この3℃が大きな差です。<室内温度20℃、湿度50%>の環境では、窓の表面温度が約9℃を下回ると結露が始まりますので、ちょうど結露するかしないかの瀬戸際の3℃です。

つまり、<室内温度20℃、室外温度0℃、湿度50%>というよくありそうな冬の環境では、アルミスペーサーなら結露し、樹脂スペーサーなら結露しない可能性が高いと言えます。たかが3℃、されど3℃ですね。

<アルミスペーサーと樹脂スペーサーによる結露実験>
アルミスペーサーと樹脂スペーサーの結露実験
(出典:YKK AP)

もちろん、上記実験のように、アルミスペーサーであれば、すべての家で結露するわけではありません。他条件にもよりますからね。

ただ、窓の中央部より窓枠側が冷えやすく、その冷えやすい窓枠側の温度を決めるのが、スペーサーの材質であることは間違いありません。その大切な部分に数万円の投資をするという判断は、費用対効果は非常に高いと言えます。

 

まとめ:ちょうどいい塩梅の『窓』は?

ちょうどいい塩梅の「窓」は、以下の通りです。

①サッシ ⇒ オール樹脂
②窓ガラス ⇒ Low-Eペアガラス(アルゴンガス入り)※
③スペーサー ⇒ 樹脂 
※省エネ基準地域区分1~3のエリアの場合は、Low-Eトリプルガラス(アルゴンガス)検討を推奨。

窓選びのポイントは、3つだけです。

窓のパーツ(サッシ・窓ガラス・スペーサー)

プロデューサー紹介

master

日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
「瀬山彰 NEXT STANDARD LIFE」
◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
「THE PROFESSIONAL」

Copyright