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2020.07.20

新築住宅の「付帯工事」とは?|本体工事の金額だけで判断したらダメ【標準仕様チェック⑤】

いまいち意味が良く分からない「付帯工事」の意味とチェックポイントについて、解説していきます。

この記事で紹介するチェックポイントは、「せやま基準一覧表」にまとめて掲載していますので、活用してください。

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新築住宅の「付帯工事」とは?|本体工事の金額だけで判断したらダメ【標準仕様チェック⑤】

付帯工事とは?付帯工事を使った悪徳営業手法

新築住宅の付帯工事とは、家本体以外の工事のことで、足場を組んだり、材料を運搬したりする費用のことです。

付帯工事は、どんな新築住宅でも必要な工事にもかかわらず、契約後の追加費用として請求されることがあるので、付帯工事の内容を一通り理解しておきましょう。

また、「本体工事」の金額だけを見て、家の高い安いを判断する施主が多いので、「本体工事」の工事項目を「付帯工事」に入れ込み、「本体工事」を安く見せる住宅会社があります。あと、本体工事の金額を坪数で割って、「坪単価〇〇万円!安い!」と広告している住宅会社もありますね。姑息ですね…

施主は、本体工事と付帯工事の合計で、高い安いを判断するようにしましょう。本体工事と付帯工事の分け方は、各住宅会社ごとに異なるので、本体工事だけで比較していたら痛い目を見ますよ。

新築住宅の本体工事と付帯工事を分ける意味はない。悪徳営業の温床。

【結論】付帯工事のチェックポイント

「付帯工事」のチェックポイントは、以下の通りです。契約前に、この項目が見積もりに正しく含まれているか?をチェックしてくださいね。

①建築準備工事
敷地内給排水工事
仮設工事(足場、仮設トイレ等)
土砂処分費用

②現場費用
産廃処理費
現場諸経費(駐車場費用等)
運搬費 

③調査/手続き/保険費用
地盤調査費
基本測量費
諸官庁手続き費用
瑕疵担保責任保険/工事保険

①建築準備工事

建築準備工事とは、家の新築工事を始める前に行う工事のことです。

・敷地内給排水工事
敷地「内」の給排水工事費用を、契約後に追加費用で請求する会社はさすがにないと思います。一方、敷地「外」の給排水工事や、メーター・汚水桝改修などは、別途見積が必要なので、早めに確認しておきましょう。

・仮設工事(足場、仮設トイレ等)
仮設工事も、特に注意しておかなくても大丈夫だと思います。足場や仮設トイレの費用です。

・土砂処分費
土砂処分費用を契約後の追加費用で請求する会社は実際にありますので、見積に含まれているか、確認するようにしてください。道路と高低差がある場合には、別途費用が必要です。

関連記事:土地購入前に確認すべき6つの「土地造成費用」|安い土地にはワケがある

<土砂処分費用は注意>
新築住宅工事の土砂処分費用は、土地によって異なるので、早めに確認しよう!

②現場費用

現場で発生するごみの処理や、材料の運搬にかかる費用です。

・産廃処理費
現場で発生したゴミの処理費用です。すべての会社で、見積に含まれると思います。

・現場諸経費(駐車場費用等)
駐車場費用や現場監督の諸経費です。建替え等で、近くに駐車場を確保できる場合は、住宅会社に教えてあげましょう、コスト削減につながります。

・運搬費
材料の運搬費用です。細い道の場合などは、特別運搬費が別途かかるので、早めに金額を確認しておきましょう。

<施主が駐車場を確保できる場合は住宅会社に連絡を>
新築住宅の付帯工事には駐車場費用が含まれるので、施主自らが近くに駐車場を確保できるならコスト削減につながる

③調査/手続き/保険費用

・地盤調査費
実質、地盤調査は義務なので、地盤調査費は必ずかかります。にもかかわらず、地盤調査費を別途請求する会社が時々ありますので、付帯工事に含まれているか?念のため、確認しておきましょう。

・基本測量
昔の測量図が存在する場合でも、不正確だったり、高低差の表示がなかったりするので、再度測量を入れることがほとんど。この測量費用を、別途追加費用で請求する会社があるので、事前に確認しておきましょう。

ただし、境界確定が必要な場合などは、別途費用が必要になりますので、早めに確認しておきましょう。

<境界確定が必要な場合は、余計に測量費用がかかる>
新築住宅工事の前に境界確定が必要な場合は、余計に測量費用がかかる

・諸官庁手続き費用
新築住宅の建築確認申請等に必要な費用です。耐震等級2・3や長期優良住宅の申請をする場合は、別途費用が必要なので、早めに希望を伝えて金額を確認するようにしましょう。

・瑕疵担保責任保険/工事保険
住宅会社は、新築から10年間、構造主要部分や雨水浸入防止部分の瑕疵(不具合)に責任を持たないといけません。これを瑕疵担保責任と言い、万が一、住宅会社が倒産した場合にこの責任を履行するための保険が、瑕疵担保責任保険です。

瑕疵担保責任保険は、住宅会社の実質義務なのですが、契約書とは別に追加費用として請求してくる会社もあるので、注意しましょう。余談ですが、「10年間瑕疵担保保証で安心!」とPRしている住宅会社がありますが、これは義務なのでPRするのはおかしな事ですね。

関連記事:「保証・工事・アフターサービス」の標準仕様チェックポイント|推奨グレード紹介

<住宅瑕疵担保責任の範囲(構造主要部分や雨水浸入防止部分)>
新築住宅の疵担保責任の範囲(主要構造、防水部分)
(出典:住宅瑕疵担保責任保険協会

『本体工事と付帯工事の明確な線引きはあるの?』に対して

明確な線引きはありません。冒頭に触れた通り、新築住宅の本体工事だけを安く見せるために、通常本体工事に入れるべき項目を付帯工事に入れ込む会社があります。なので必ず、本体工事+付帯工事の合計で見積を見るようにしてください。

『付帯工事は概算と言われたけど、大丈夫?』に対して

大丈夫じゃありません。大抵の費用は調べればわかりますので、必ず契約前に、概算ではなく正確な金額を確認しましょう。概算だと、契約後に追加費用として請求される可能性があります。

新築住宅の付帯工事費用は概算ではだめ

まとめ

「付帯工事」のチェックポイントは、以下の通りです。

①建築準備工事
敷地内給排水工事
仮設工事(足場、仮設トイレ等)
土砂処分費用

②現場費用
産廃処理費
現場諸経費(駐車場費用)
運搬費 

③調査/手続き/保険費用
地盤調査費
基本測量費
諸官庁手続き費用
瑕疵保険・工事保険


【文責:瀬山彰】

プロデューサー紹介

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日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
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◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
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