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家の性能 徹底解説

2019.12.04

「家事が楽になる」間取り5つのポイント|最も効率的な洗濯物干し動線とは!?【良い間取りの共通点③】

日本人は、家事をがんばりすぎです。世界的に見ても、家事に費やす時間の長さはトップクラス。日本には、家事を一生懸命することが良しとされる文化?があるような気がします。

グッシンは、仕事と同じで思い切り効率化しちゃって、別のことに時間を使った方が良いと考えています。家事の時間が減れば、家族と過ごす時間が増え、個人の趣味も充実できます。間取りだけではなく、総合的に家事を楽にする方法を考えていきましょう。

「家事が楽になる」間取り5つのポイント|最も効率的な洗濯物干し動線とは!?

家事を楽にするために最も大切なテーマ

家事を楽にするために最も大切なテーマは、家事の「移動」を極限まで減らすことです。なるべく移動を減らし、同じ場所で家事をこなせるようにすることで、家事の時間を大幅に削減することができます。

注意点は、家事動線には個人のクセがあるので、自分の普段の動線をシミュレーションしながら間取りを作ることです。特に、洗濯物の干し方は個人によって大きく異なります。

また、家電に頼ることも大切。自分でやらなくていいことは、家電に任せましょう。間取りはあまり関係ありませんが、使えるものは使って、自分の時間を確保していきましょう。

家事を楽にするために家電に頼ることは大正解!

【結論】「家事が楽になる」間取り5つのポイント

「家事が楽になる」間取り5つのポイントは、以下の通りです。

①個人のクセに合わせた洗濯物干し動線
②部屋干しスペースを確保
③洗面所の収納を充実
④キッチンと洗面所を隣接
⑤家電をフル活用

①個人のクセに合わせた洗濯物干し動線

最も移動が多い家事は、洗濯物干しです。また、洗濯物の干し方には個人のクセがあり、そのクセに合わせた動線をつくることが大切です。

まず、「どこで干したいか?」を考えてみてください。大きく分けて3パターン。

■2階ベランダで干したい派
一番多いタイプではないでしょうか。このタイプは、「洗面所→階段→バルコニー」の動線を短くすることが大切です。洗面所の出口と階段を近くに配置し、階段を登り切った場所からバルコニーへの距離を短く配置するということです。

間取りによって難しい場合もありますが、できれば、2階廊下から直接バルコニーに出る動線が、最も効率的ですので、意識しながら間取りを設計してみてください。

失敗間取りは、「洗面所→ダイニング→リビング→階段→廊下→主寝室→バルコニー」のような、果てしなく続く洗濯動線になった間取りです。これでは、移動ばかりで、くたくたになってしまいます。

2階ベランダで洗濯物を干す

■1階の庭で干したい派
土地に余裕がある場合は、1階の庭に干せると階段を上がらなくていいので、楽ですね。洗面所の出口から、洗濯物を干す場所への動線を短くすることを意識しましょう。

1階に庭で干す場合の注意点は、道路から見えないような工夫が必要だということです。道路からの死角に洗濯物干し場所を確保するか、目隠しを設置するか、対策を検討しましょう。

また、2階に干さないのであれば、大きなバルコニーは必要ありません。布団を干す場合は、最低限のバルコニーだけ確保して、コストカットの対象にしてしまいましょう。無駄にバルコニーが大きな間取りは、失敗間取りです。

1階の庭で洗濯物を干す

■完全部屋干しにしたい派
共働きの場合は、このタイプの方が多いですね。1階に部屋干しスペースを取る場合は、当然、洗面所の近くがベストです。

2階に部屋干しスペースを取る場合は、階段を上がりきった場所を広くとる方法が最も効率的です。2階ベランダで干したい派と同様に、「洗面所→階段→部屋干し専用スペース」の動線を短くすることを意識しましょう。

予算やスペースの関係で、部屋干しスペースをとれない場合も多いと思います。その時は、洗面所と洗面所以外の場所(和室など)に、洗濯物干し金物を設置するようにしましょう。洗面所以外に物干し金物をつける場合は、天井に収納できる昇降式がおすすめです。

赤ちゃんの服を部屋干しする

『2階バルコニーには屋根をつける(インナーバルコニー的にする)べき?』に対して

生活スタイルによりますが、日陰干しが好まれる衣服が多いことと、突然の雨への対応を考えると、屋根を付けた方が機能的かと思います。天日干ししたい洗濯物もある場合は、一部を屋根あり、一部を屋根なしとしてもいいですね。

インナーバルコニーにする場合の注意点は、風通しに配慮すること。家の中央部に配置するなど開口が1面しかないと、洗濯物の乾きも悪いですし、吹き溜まりになり虫がきます。必ず家の角に配置し、2面以上の開口をつくるようにしましょう。

<屋根付きバルコニーは、家の角に配置し、2面開口を>屋根付きバルコニーは2面開口で、風通しを確保

 

②部屋干しスペースを確保する

どんな方でも、最低限の部屋干しスペースを確保しておくことが必要です。理由は、以下の通り。

1年のうちで部屋干し「せざるを得ない」日は案外多く、雨が降る日(降水量1mm以上)だけでも全国平均120日程度あるためです。花粉の時期も、外干しを嫌う方が多いかと思います。

つまり、1年のうちの1/3程度は、部屋干し「せざるを得ない」日であり、夜間に洗濯物を干すことも考えると、部屋干しスペースの確保は、必要不可欠と言えるのです。

スペースの作り方は、完全部屋干しをしたいけど、部屋干しスペースをとれなかった場合と同じです。洗面所と洗面所以外の場所(和室など)に、洗濯物干し金物を設置するようにしましょう。洗面所は固定式、和室などは昇降式の金物にすると良いかと思います。

くれぐれも、部屋干しスペースを確保し忘れて、ドアや扉の枠にハンガーをひっかけて、洗濯物を干すなんてことがないようにしましょうね。失敗間取りの典型例です。

<天井に収納できる昇降式の物干し金物>
昇降式洗濯物干し金物がおすすめ
(出典:川口技研

『部屋干しの臭いが気になる』に対して

部屋干しに限らず、適切に換気すれば、臭いは軽減されます。例えば、昨晩のから揚げの香りが朝まで残っているのは、換気不足が原因。

部屋干しが臭いのも、換気不足が一因なので、換気システムをきちんとメンテナンスすれば、部屋干しの臭いが気になることはないでしょう。

できれば、部屋干しするスペース近くに、排気口(換気扇)を設置するようにしましょう。換気は、ハウスダストや二酸化炭素濃度だけではなく、臭い対策としても重要です。

また、扇風機で空気の流れを作ることも効果的です。換気だけで臭いが残るときは、試してみてください。

<扇風機で空気の流れを作ることも効果的>

部屋干しの臭い対策は、換気と扇風機

③洗面所の収納を充実させる

ここまで何度か登場してきましたが、「洗面所の収納充実+洗面所の物干し金物設置」はかなり有効です。

なぜなら、「服を脱ぐ→洗う→干す→取り込む→収納する→着る→脱ぐ・・・」という一連の動作が、移動ゼロで可能だからです。洗面所の収納を充実させ、洗面所に物干し金物を設置するだけ。そんな難しいことではありませんが、効果は絶大です。

私の家では、洗面所に毎日着る服を全て収納しているので、朝起きて、次に2階に上がるのは寝る時です。1階のトイレが娘に占拠されていた時は例外ですが…。とにかく、家事を楽にするカギは、洗面所にあり!ということですね。

関連記事:生活感のない家を作るための「収納」基本ルール5選|収納の失敗パターンとは?

<洗面所の収納充実+洗面所の物干し金物設置>
洗面所収納+物干し金物は最強
(出典:パナソニック

『洗面所に洗濯物を干したら、邪魔にならない?』に対して

間違いなく、邪魔になります。なので、日中の家族が家にいない間に使うのが現実的。もしくは、洗面所を広くとれるなら、洗面台の前はスペースを空けておくと良いですね。

確かに、洗面所に洗濯物を干したら邪魔にはなるのですが、洗濯動線の改善という意味では、とても効果が高いので、多少のデメリットに目をつぶってでも、採用すべき仕組みであると考えています。

④キッチンと洗面所を隣接させる

キッチンと洗面所の位置関係も大切です。キッチンと洗面所が、隣接するように配置しましょう。

特に子育て中は、料理をしながら、洗っても洗っても洗濯物がなくならならず、お風呂の準備やこどもをお風呂に入れたり…とてんやわんやです。

このように、キッチンと洗面所を往復しながら行う家事が多いので、キッチンと洗面所が隣接していることは移動を減らす大切なポイントと言えます。

さらに言うと、洗面所と部屋干しスペースやウォークインクローゼットが隣接するとさらにGOOD。また、LDKと洗面所がつながることで、洗面所にリビングの暖気が届きやすくなり、ヒートショックを予防できるというメリットもありますね。

<キッチンと洗面所を隣接させた良い間取り例>
キッチンと洗面所の理想的な動線間取り
(出典:フリーダムアーキテクツデザイン

『2階に洗面所を持っていった方が、洗濯は楽になるのでは?』に対して

確かに、2階ベランダで干したい方であれば、2階に洗面所があれば「洗う→干す」の動作が、ワンフロアで行うことができるので、良い動線になります。そのままクローゼットに収納することもできますね。

ただし、良いことばかりではなく、洗面所を2階に配置するデメリットもありますので、慎重に検討しましょう。グッシンとしては、デメリットが大きいので、2階洗面所はおすすめしません。

関連記事:良い間取りの超基本ルール「1階完結型の間取り」|理想は平屋!

家事動線が悪い原因のほとんどが階段

■1階リビング+2階洗面所(洗濯機)のデメリット
・朝の身支度が大変
歯磨きしたり、顔を洗ったり、ひげを剃ったりと、朝は洗面所に出入りする回数はとても多いです。そのたびに、階段を昇り降りしなくはいけませんので、かなりの移動の負荷がかかります。もし2階洗面所にする場合は、1階に簡易洗面台を設置しましょう。

・洗濯の階段往復が増える
2階に洗面所(洗濯機)があると、洗濯開始時と干す時に階段を2往復しなくてはなりません。1階洗面所なら、干す時に1往復で済みます。また、外に干せないときには、バルコニーと同じ階にあることの意味がなくなるので、メリットが薄れます。

・2階風呂のデメリット
お風呂の準備で2階に上がり、お風呂に入るときに2階に行き、子どもの呼ばれて2階に行きと、これまた階段の昇り降りが増えます。特に子育て世代にとっては、かなりの重労働になります。

階段の昇り降りが家事負担を増やす原因

■2階リビング+2階洗面所のデメリット
・外出の度に階段を昇り降り
これは、単純に2階リビングのデメリットですね。若いうちはいいですが、足腰が弱ってきてからは、想像以上にしんどいです。足腰を鍛えるために!ということならいいのかもしれませんが・・・。

・子供が、親と顔を合わせずに子ども部屋に入ることができる
2階リビングにした場合は、1階に子ども部屋を配置することがほとんどです。こうなると、いつ帰ってきたかわからないほどに、子どもが玄関から子ども部屋に直行してしまいます。

関連記事:朗らかで賢い子どもが育つ間取り4カ条|子供の安全を守る間取りとは?

なるべく階段を昇り降りしない、平屋のような「1階完結型の間取り」を理想とする

⑤家電をフル活用

最新の家電はフル活用しましょう。家事の時間をダイレクトに削減してくれるので、費用対効果の高い投資と考えてもらえればOKです。

■自動食器洗浄乾燥機
食洗器と呼ばれることが多いですが、かなり普及してきましたね。ポイントは、サイズです。一般的な「浅型」だと、4人家族だと溢れます。なるべく「深型」にすることをおすすめします。

大きな汚れだけさっと落として食洗器に突っ込めるので、皿洗いがかなり楽に。乾燥までしてくれ、皿についた水滴をいちいち拭かなくてもいいので、とても助かります。

関連記事:「住宅設備(キッチン/ユニットバス等)」の標準仕様チェックポイント|推奨グレード紹介

<食洗器は、容量の大きな深型がおすすめ>
食洗器は、容量の大きい深型がおすすめ
(出典:パナソニック

■ロボット掃除機
ロボット掃除機は、是非、導入したい家電です。子どもが小さいうちは、おもちゃがそこら中に散乱し、ロボット掃除機をかけられる状態にならない…という現実がありますが、大きくなってくれば、大いに活躍してくれること間違いなしです。

ロボット掃除機を導入する場合は、ロボット掃除機専用のコンセントを配置しておきましょう。充電式のスティック掃除機を導入する場合は、収納内にコンセントを配置しておくと便利です。

<水拭きのロボット掃除機も登場>
ロボット掃除機を活用しよう
(出典:アイロボットジャパン

■ガス乾燥機
ガス乾燥機は、ガス引き込み工事費用など、そこそこ費用が必要なので、絶対に!とは言えませんが、かなり便利であることは間違いありません。1時間以内で5kgの洗濯物が乾き、1回あたりのガス代は約50円です。

洗濯物干しのストレスから解放され、バスタオルもふっくら気持ち良いです。洗濯物を干すために、広いバルコニーを作るのであれば、そのバルコニーにかける費用をガス乾燥機の導入費用に回す、というのは有りだと思います。

ガス乾燥機は、乾太くん一択でしょう。容量は5kg、種類はシーツ/毛布コースがある「デラックスタイプ」がおすすめです。

<5kgデラックスタイプがおすすめ>
ガス乾燥機は「乾太くん」は、5kgデラックスタイプがおすすめ
(出典:大阪ガス

『ドラム式の洗濯乾燥機(電気式)はどうですか?』

家電のプロではないので詳細は分かりませんが、電気式だと、乾燥時間がかなり長いのがネックかと思います。室温によっては、乾燥時間が延長されて、なかなか乾燥が終わらないということもあるようなので、乾燥の性能を重視したい方であれば、ガス一択で良いかと。

最後の仕上げ乾燥で使う程度であれば、良いのかもしれませんが、その程度であれば、浴室乾燥機で対応できそうですね。

<乾燥能力ではガス式に劣るドラム式洗濯乾燥機>

ドラム式乾燥機(電気式)
(出典:パナソニック

まとめ

「家事が楽になる」間取り5つのポイントは、以下の通りです。

①個人のクセに合わせた洗濯物干し動線
②部屋干しスペースを確保
③洗面所の収納を充実
④キッチンと洗面所を隣接
⑤家電をフル活用

関連記事:優秀な「プランナー」を見極める方法|優秀なプランナー20の特徴


【文責:瀬山彰】

プロデューサー紹介

master

日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
「瀬山彰 NEXT STANDARD LIFE」
◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
「THE PROFESSIONAL」

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