• トップ
  • 家の性能 徹底解説
  • 「太陽光発電システム」の失敗しない選び方|太陽光パネル・パワコンのおすすめメーカー紹介【メンテナンス性能③】

家の性能 徹底解説

2019.11.25

「太陽光発電システム」の失敗しない選び方|太陽光パネル・パワコンのおすすめメーカー紹介【メンテナンス性能③】

太陽光発電システムの選び方について、解説していきます。

得するか損するかは、太陽光発電システムの選び方次第

太陽光発電システムの選び方を間違えると

まず、太陽光発電システムの選び方を間違えるとどうなるか?について。太陽光発電システムは、太陽光パネルとパワーコンディショナーに分かれます。

太陽光パネルの選び方を間違えると、10年そこそこで発電量が下がりはじめます。何十年と住み続けていくのに、10年そこそこで発電量が下がってしまっては困りますよね。

次に、パワーコンディショナーの選び方を間違えると、10年そこそこでパワーコンディショナーが故障し、そのパワーコンディショナーが連系している太陽光パネル分の発電量が0になります

<「WEDGE」で発電量低下が報道された糸満市役所の太陽光パネル>発電量の低下が報道された糸満市役所の太陽光パネル
(出典:糸満市役所

正しく太陽光発電システムを選ぶことができれば、およそ20年以上、発電量の低下が少なく、パワーコンディショナーの故障もなく過ごすことができるので、しっかりと勉強していきましょう。

太陽光発電の固定価格買取制度とは?

太陽光発電の固定価格買取制度について、少しだけ触れておきます。

再生可能エネルギーの太陽光発電を普及させるため、

「電力会社が10年間(10kW未満の場合)、お宅で発電した電気を高く買い取りますので、どんどん太陽光発電システムをつけちゃってください!ただし、今年始めた人より、来年始めた人の方が買取価格は低くなり、いずれこの制度自体をやめますので、やるならお早めに!」

という国の制度のことです。

<固定価格買取制度のイメージ>

太陽光発電固定価格買取制度の仕組み
(出典:資源エネルギー庁

で、この買取価格がスタートの時期に比べると半額くらいになってきたので、これからやっても得なのか?という疑問が出てきていることと思います。

結論を言うと、今の買取価格(2019年11月現在)でも約10年で元は取れます。ただ、10年後あたりから始まる「太陽光パネルの発電量低下」や「パワーコンディショナーの故障」の対策を適切に行わないと、メンテナンス費用がかさんで、損をする可能性があります。

<売電価格は年々下がっているが、約10年で元は取れる>
太陽光発電の売電価格推移
(出典:ソーラーサポートセンター

【結論】ちょうどいい塩梅の『太陽光発電システム』は?

ちょうどいい塩梅の「太陽光発電システム」は、以下の通りです。
※性能を見極めるポイントが専門的内容なので、太陽光発電システムに限り、具体的なメーカー名を記載します。

①太陽光パネル(モジュール)
■DNV-GLの試験で「トップパフォーマー」認定を受けた太陽光パネル(2017~2019年)
AUO
LONGI
Sun power
Trina solar
Jinko solar
JA solar
Hanwha Q CELLS
Solar world
Suntech
京セラ
パナソニック

■上記以外の太陽光パネル
高温高湿試験2000時間をクリアしているかどうか?で見極め

②パワーコンディショナー
■20年以上故障しない可能性が高いパワコン
SMA

■15年以上故障しない可能性が高いパワコン
オムロン

※ちょうどいい塩梅の「●●」とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という“ちょうどいい塩梅主義”に基づいてセレクトされた推奨レベル。

①太陽光パネル選びの基準 「DNV GL」と「高温高湿試験」

太陽光の歴史は浅く、長持ちするかどうか?を実績で検証することはできないので、試験結果から判断するしかありません。太陽光パネル選びの基準となるのが、「DNV GL」「高温高湿試験(高湿高温試験、耐湿熱試験)」です。

<DNV GLとは?>

ノルウェー公的試験機関DNV GL概要
(出典:DNV GL)

「DNV GL」とは、ノルウェーの第三者試験機関です。DNV GLのパネル試験は以下5項目(2018年から4項目)で、試験結果が毎年発表されています。

・熱サイクル試験
・機械的荷重試験
・湿度凍結試験
・耐湿熱試験
・PID試験

もちろん試験内容は、細かくは理解しなくても大丈夫ですが、とても細かく網羅的に試験を実施されていることが分かります。

<DNV GLによる太陽光パネル性能評価試験の内容>
DNV GLによる太陽光パネル試験内容
(出典:DNV GL資料を翻訳)

次に、「高温高湿試験(高湿高温試験、耐湿熱試験)」ですが、これは「DNV GL」が行っている5つの試験のうちの1つで、太陽光パネルの寿命に関する試験です。

つまり「DNV GL」の試験に参加していないメーカーの太陽光パネル品質を見極めるために使える、簡易的なパネル寿命の指標と理解してもらえればOKです。

DNV-GLの試験で「トップパフォーマー」認定を受けた太陽光パネル

2017~2019年のDNV-GLの試験で「トップパフォーマー」認定を受けた主な太陽光パネルは、以下の通りです。

AUO
LONGI
Sun power
Trina solar
Jinko solar
JA solar
Hanwha Q CELLS
Solar world
Suntech
京セラ
パナソニック

年度によって、試験に参加していないメーカーもあるので、3年間で1度でも「トップパフォーマー」認定を受けた企業を記載しました。

第三者試験とはいえ、大人の事情が絡んでいる可能性も否定できないので、100%の信頼性があるわけではないことはご理解ください。ただ、網羅的にパネル試験を行っていることは確かなので、パネル選びの参考には十分なりうると考えています。

<2019年度DNV GL トップパフォーマー認定企業>
2019年度DNV GLでトップパフォーマー認定を受けた太陽光パネル一覧
(出典:日経BP

上記以外のパネル

上記以外のパネルは、高温高湿試験の試験結果で見極めるしかありません。「高温高湿試験」だけではだめなのですが、「高温高湿試験」すらクリアしていないパネルは、選ばない方が賢明と考えるわけです。

まず、高温高湿試験の結果が、公開されているかどうか?を確認しましょう。耐湿熱試験や高温多湿試験も呼ばれます。

高温高湿試験の結果を公開していないメーカ-は、品質に自信がないのかな?と推測します。実際に、高温高湿試験の試験結果を公表している日本のパネルメーカーは少ないのが現状です。

次に、公開している場合は、試験時間を確認しましょう。日本の「高温高湿試験」の業界標準が1,000時間(およそ10年間相当)なので、最低でも2,000時間以上の耐久性はほしいところです。

また、高温高湿試験はPID試験とよく似ているので、混同しないようにご注意ください。PID試験の業界標準が96時間なので、96時間・100時間・200時間という試験結果になっていたらPID試験です。高温高湿試験は、最低基準が1,000時間です。

<高温高湿試験と混同しやすいPID試験>
高温高湿試験と混同しがちなPID試験
(出典:シャープ ※一部加工)

例えば、DNV GLで「トップパフォーマー」認定を受けているAUOは、独自にDNV GLと同等の試験を行い、試験結果を公開。高温高湿試験については、日本の一般的な基準である「1,000時間クリア」に対して、「3,000時間クリア」を達成しています。

<AUOの高温高湿試験の結果>
太陽光パネルを見極める方法(高温高湿試験)
(出典:AUO ※一部加工)

『シャープのパネルの評価は?』に対して

シャープは、DNV GL試験に参加していませんし、DNV GLほどの詳細試験データも公表していません。理由は不明。

ですので、現在公表されているいるシャープ独自の試験結果とパネル製法等について、複数の信頼できる太陽光技術者に確認してもらい、以下パネルに限り、それなりの品質を持っていると推定しました。あくまで推定ですので、参考程度にしてください。

Black Solar
※シャープの別型番パネルの品質については確認できていませんので、「Black Solar」のみの評価とします。

可能であれば、DNV GLでトップパフォーマー認定を受けたパネルを選択することをおすすめします。

<シャープの太陽光発電システム「Black Solar」>
シャープ(SHARP)の太陽光発電パネル(モジュール)
(出典:シャープ

『世界最高品質の太陽光パネルは?』に対して

個人的な意見になりますが、現在実用化されている中での世界最強パネルは、Sun Power社「バックコンタクト方式」の太陽光パネルだと思います。

Sun Power社の「バックコンタクト方式」の太陽光パネルは初期費用は高いですが、発電量が高く、パネル寿命が長いため、十分に元が取れる投資と考えています。

<高発電量・パネル長寿命の「バックコンタクト方式」>
世界最強「バックコンタクト方式」パネルの仕組み
(出典:東芝エネルギーシステムズ

以下、「SunPower社」の高温高湿試験の結果です。

日本の一般的な基準である「高温高湿試験1,000時間」に対して、この太陽光パネルは「7,000時間」をクリアしています。驚愕の数値。しかも、一般的な基準よりも厳しい「85℃85%」という環境で行っているのが、さらに驚きです。

<”世界最強パネル”Sun Power社の高温高湿試験結果>
世界最高の太陽光パネルの耐久性
(出典:SIソーラー

また、Sun Power社「バックコンタクト方式」の太陽光パネルは、複数のメーカーが取り扱っています。太陽光発電システムの業界では、製造元のメーカー名(今回ならSun Power社)は表にでず、販売会社(今回ならAUOや東芝など)のブランド名として販売されることがよくあります。

Sun Power(サンパワー)
AUO(エーユーオー)
東芝

太陽光パネルの型番に「SPR」の文字があれば、Sun Power製であると推測されます。以下画像は、東芝が販売している太陽光パネル。型番を見ると、「SPR」と書いてありますね。

<Sun Power社が製造元と思われる東芝の太陽光パネル>
東芝の太陽光発電システム「SPR」
(出典:東芝エネルギーシステムズ ※一部加工)

『太陽光パネル(モジュール)の出力保証があれば、安心なのでは?』に対して

結論から言うと「太陽光パネル(モジュール)の出力保証は無いよりあったほうがいいけど、あったからといって安心できるわけではない」という感じです。

出力保証とは、規定された出力を下回ったら、無償で新品に交換してくれるという保証です。一見、安心そうに見えますが、問題なのが、出力低下を証明する方法

どのパネルが出力低下を起こしているのか?を調べるには、費用も手間もかかるので、そこまでやって保証を受ける施主が本当にいるのか?という疑問を持っています。

太陽光発電システム会社からしたら、うまい仕組みですが、施主にとってはあまり意味がないような気がします。住宅会社の「●●年保証(長期安心保証)」と同じ狙いを感じます。

関連記事:「外壁・シーリング」のメンテナンス費用を安くするコツ|メーカーの保証年数で品質を見極める方法

<出力保証は当てにし過ぎない方が良い>
あまり当てにならない太陽光モジュール出力保証
(出典:エクソル

②パワーコンディショナーの平均寿命は?

パワーコンディショナー(以下、パワコン)の平均寿命は、10~15年と言われています。

10年そこそこでパワコンが故障していまうと、太陽光発電システム設置費用の元が取れるのがだいたい10年なので、元を取ったと思ったら、すぐに修理費用数十万円が発生…となるわけです。これは避けたいですよね。

しかも、パワコンが壊れたら(そのパワコンが連系している)パネルの発電がすぐに0になりますので、パワコンが故障してから修理するまでの期間は、発電が0になります。なので、「20年間は故障しない」であろうパワコンを選択するのがベストです。

<パワコンが故障すると売電は0になる>
故障すると発電量が0になるパワーコンディショナー(パワコン)

20年以上故障しない可能性が高いパワコン

現状、20年以上故障しない可能性が高いパワコンは、SMA社製のパワコンのみと言われています。

SMAは、ドイツの世界最大手のパワコンメーカーで、真空冷却装置という特殊な技術により、世界で唯一、20年故障しないことを想定した設計を実現しています。

<SMA製のパワーコンディショナー>
SMA社のパワーコンディショナー
(出典:SMA

ただ、SMAにもデメリットがあります。日本の店舗網が少なく、アフター対応に不安が残る点です。基本的に家を建てた住宅会社が対応することになるので、住宅会社的には手間が増え、SMAの採用を嫌がる傾向にあります。

15年以上故障しない可能性が高いパワコン

アフター対応を重視したい場合は、オムロン社製のパワコンが候補になります。15年以上故障しないことを想定した設計をしていると言われています。

性能的にみると断然SMAが上ですが、SMA以外の候補としては、オムロンが有力でしょう。

<性能もそこそこ高く、アフター対応が充実しているオムロン製のパワコン>
オムロン製のパワーコンディショナー
(出典:オムロン

『機器保証はあてになるの?』に対して

機器保証は使えます。パネルの出力保証と違って、一発で故障と判断できるので、保証書等はしっかり残すようにしておきましょう。パワコンの寿命が10~15年であっても、販売店が無理をして15年保証を付けている場合があります。

出力低下の確認が難しい「太陽光パネル(モジュール)の出力保証」はあてになりませんが、故障の確認が簡単な「パワコンの機器保証」は使える!と覚えておいてください。

ただし、「寿命の長いパワコンを選択するのが基本」であることはお忘れなく。

<出力保証はあてにならないが、機器保証はあてにある>
太陽光発電システムの出力保証と機器保証の違い
(出典:ソーラーフロンティア ※一部加工)

まとめ

ちょうどいい塩梅の「太陽光発電システム」は、以下の通りです。 ※性能を見極めるポイントが専門的内容なので、「太陽光発電システム」に限り、具体的なメーカー名を記載します。

①太陽光パネル(モジュール)
■DNV-GLの試験で「トップパフォーマー」認定を受けた太陽光パネル(2017~2019年)
AUO
LONGI
Sun power
Trina solar
Jinko solar
JA solar
Hanwha Q CELLS
Solar world
Suntech
京セラ
パナソニック

■上記以外の太陽光パネル
高温高湿試験2000時間をクリアしているかどうか?で見極め

②パワーコンディショナー
■20年以上故障しない可能性が高いパワコン
SMA

■15年以上故障しない可能性が高いパワコン
オムロン

※ちょうどいい塩梅の「●●」とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という“ちょうどいい塩梅主義”に基づいてセレクトされた推奨レベル。


【文責:瀬山彰】

プロデューサー紹介

master

日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
「瀬山彰 NEXT STANDARD LIFE」
◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
「THE PROFESSIONAL」

RECOMMEND関連記事

「外壁・シーリング」のメンテナンス費用を安くするコツ|メーカーの保証年数で品質を見極める方法【メンテナンス性能①】

家の性能 徹底解説

2019.11.23

「外壁・シーリング」のメンテナンス費用を安くするコツ|メーカーの保証年数で品質を見極める方法【メンテナンス性能①】

「屋根・ルーフィング・バルコニー防水」のメンテナンス費用を安くするコツ|選んではいけない建材とは?【メンテナンス性能②】

家の性能 徹底解説

2019.11.24

「屋根・ルーフィング・バルコニー防水」のメンテナンス費用を安くするコツ|選んではいけない建材とは?【メンテナンス性能②】

第2章 「メンテナンス性能」について|記事まとめ

家の性能 徹底解説

2019.11.23

第2章 「メンテナンス性能」について|記事まとめ

新築住宅の「資金計画」を立てる方法<完全保存版>|リアル資金計画書の使い方【資金計画の基礎知識⑤】

家づくりの基礎知識

2019.12.13

新築住宅の「資金計画」を立てる方法<完全保存版>|リアル資金計画書の使い方【資金計画の基礎知識⑤】

「住宅ローン」の基礎知識と失敗しない銀行の選び方(後半)|よくある質問19選【資金計画の基礎知識②-2】

家づくりの基礎知識

2019.12.12

「住宅ローン」の基礎知識と失敗しない銀行の選び方(後半)|よくある質問19選【資金計画の基礎知識②-2】

「換気システム」の正しい知識と失敗しない選び方(後半)|機械・フィルター・ダクトのメンテナンス性能の見極め方【断熱・気密・換気性能④-3】

家の性能 徹底解説

2019.11.21

「換気システム」の正しい知識と失敗しない選び方(後半)|機械・フィルター・ダクトのメンテナンス性能の見極め方【断熱・気密・換気性能④-3】

住宅会社の「性能」を見極める方法|11のチェックポイントを完全網羅【住宅会社を比較検討する方法③】

家づくりの基礎知識

2019.12.15

住宅会社の「性能」を見極める方法|11のチェックポイントを完全網羅【住宅会社を比較検討する方法③】

家を建てる前に行うべき「家計改善」3つのSTEP|誰でも簡単に数万円は捻出できる!?【資金計画の基礎知識①】

家づくりの基礎知識

2019.12.11

家を建てる前に行うべき「家計改善」3つのSTEP|誰でも簡単に数万円は捻出できる!?【資金計画の基礎知識①】

Copyright