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家の性能 徹底解説

2019.07.31

第三者機関の試験で選ばれた太陽光発電システム推奨メーカー一覧|太陽光パネル・パワーコンディショナーの選び方【メンテナンス性能③】

得するか損するかは、太陽光発電システムの選び方次第

 

太陽光発電システムの選び方が知られていない

太陽光発電システムを販売する側の知識が不足しており、購入者に十分な情報が届いていません。住宅会社の営業マンや太陽光発電システムの販売会社で、こんな言葉を聞いたことはありませんか?

「うちは●●(メーカー名)なので大丈夫です」「●●年保証なので安心です」

この発言は、太陽光発電システムの知識がない人だということを、証明してしまっています。

まず、同じメーカーでも、良いシステムと悪いシステムがあるので、メーカー名で太陽光発電システムの性能を語ることはNGです。また、パネル(モジュール)の●●年出力保証は、出力が低下したパネルを特定することが困難であるため、実質無意味だと言われているからです。

<同メーカーでも、パネルの性能は様々>
太陽光パネルをメーカー名だけで選ぶのはオススメしない
(出典:シャープ)

この記事では、最低でも「20年間は80%以上の発電量を維持できる」であろうパネルと、最低でも「20年間は故障しない」であろうパワーコンディショナーの選び方を解説していきます。

太陽光発電の固定価格買取制度とは?

太陽光発電の固定価格買取制度について、少しだけ触れておきますね。再生可能エネルギーの太陽光発電を普及させるため、

「電力会社が10年間(10kW未満の場合)、お宅で発電した電気を高く買い取りますので、どんどん太陽光発電システムをつけちゃってください!ただし、今年始めた人より、来年始めた人の方が買取価格は低くなり、いずれこの制度自体をやめますので、やるならお早めに!」

という国の制度のことです。

太陽光発電固定価格買取制度の仕組み

で、この買取価格がスタートの時期に比べると半額くらいになってきたので、これからやっても得なのか?という疑問が出てきていることと思います。

結論を言うと、今の買取価格(2018年12月現在)でも約10年で元は取れます。しかし、10年後あたりから始まる、「太陽光パネルの発電量低下」や「パワーコンディショナーの故障」の対策を適切に行わないと、メンテナンス費用がかさんで、損をする可能性がでてきますよ、という感じです。

<売電価格は年々下がっているが、約10年で元は取れる>
太陽光発電の売電価格推移
(出典:ソーラーサポートセンター)

 

【結論】ちょうどいい塩梅の『太陽光発電システム』は?

ちょうどいい塩梅の「太陽光発電システム」は、以下の通りです。 ※性能を見極めるポイントが専門的内容なので、「太陽光発電システム」に限り、具体的なメーカー名を記載します。

①太陽光パネル(モジュール)
・京セラ
・パナソニック HIT
・シャープ BlackSolar
・AUO(バックコンタクト以外)
・LONGI
・Trina solar
・BYD
・Jinko solar
・NSP
・Solar world
・Talesun
のいずれか

②パワーコンディショナー
・SMA
・オムロン
のいずれか

※ちょうどいい塩梅の「●●」とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という”ちょうどいい塩梅主義”に基づいてセレクトされた推奨レベル。

 

①太陽光パネル選びに失敗するとこうなる

太陽光パネルの選び方を間違えると、たった10年で発電量が60%程度に下がることがあります。以下、新幹線に置かれている「WEDGE」に掲載された、太陽光発電パネルの劣化に関する記事です。

太陽光発電パネルの選び方を間違えると発電量が下がる

太陽光パネルの劣化による発電量の大幅な低下

沖縄県糸満市に設置された太陽光発電システムの発電量が、急激に下がっているのがよくわかります。粗悪な太陽光パネルを設置してしまうと、短期間に発電量が下がってしまうということです。これは困りますよね。

なので、最低でも「20年間は80%以上の発電量を維持できる」であろう太陽光パネルを選択する必要があるわけです。

 

京セラ・AUO・LONGI・パナHIT・シャープBlackSolar等のパネルを推奨する理由

太陽光の歴史は浅く、長持ちするかどうか?を実績で検証することはできませんので、試験結果から判断するしかありません。

公平性が高いとされるノルウェーの第三者機関「DNV-GL」の試験結果と、信ぴょう性が高いと推定される各社独自の試験結果を総合的に判断し、「最低20年間は80%以上の発電量を維持できる」であろうパネルを選定しました。

各社独自の試験結果については、結果が公開されていない項目もあるので、あくまで推定と考えてもらえると助かります。

ノルウェー公的試験機関DNV GL概要
<DNV GL概要(出典:DNV GL)>

ノルウェーの第三者機関DNV-GLの試験項目は、以下5項目です。

・熱サイクル試験
・機械的荷重試験
・湿度凍結試験
・耐湿熱試験
・PID試験

試験内容は、理解しなくてもOKです。この5項目を、すべてクリアしているパネルを推奨します。

熱サイクル試験・機械的荷重試験・湿度凍結試験・耐湿熱試験・PID試験の各社試験結果と試験内容詳細

おや?と思った方もおられると思います。パナソニックとシャープが、DNV-GL試験対象外となっています。なぜ対象外なのかは不明ですが、試験結果がないなら聞くしかないということで、この2社に問い合わせをしましたが、DNV-GLほどの詳細試験データは提供できないとのことでした。

ですので、現在公表されているいる各社独自の試験結果(主に、高温高湿試験)について、複数の信頼できる太陽光技術者に確認してもらい、以下パネルに限り、DNV-GL同等の試験にも耐えうると推定しました。あくまで推定ですので、参考としてください。

・パナソニックHIT
・シャープBack Solar
※パナソニック・シャープの別の型番パネルは確認できていません。ご注意ください。

<パナソニックの太陽光発電システム「HIT」>
パナソニック(PANASONIC)の太陽光発電パネル(モジュール)
(出典:パナソニック)

<シャープの太陽光発電システム「Black Solar」>
シャープ(SHARP)の太陽光発電パネル(モジュール)
(出典:シャープ)

 

「素人が、パネル性能を見極める方法はないの?」に対して

「高温高湿試験結果が、公開されているかどうか?」を見極めの一つにすると良いかと思います。「耐湿熱試験」や「高温多湿試験」とも呼ばれます。「高温高湿試験」だけではだめなのですが、「高温高湿試験」すらクリアしていないパネルは、選ばない方が賢明です。

一般的な「高温高湿試験」基準が1,000時間で、これは、おおよそ10年間の耐久性に相当します。でも、10年で発電量が落ちてしまっては困りますよね?なので、最低でも「高温高湿試験を、2,000時間以上クリアしているかどうか?」という視点で、パネルの質を見極めましょう。

例えば、推奨メーカーのAUOは、独自にDNV-GLと同等の試験を行い、公開しています。日本の一般的な基準である「高温高湿試験1,000時間クリア」に対して、この太陽光パネルは「3,000時間クリア」をしています。

<AUO社の高温高湿試験の結果>
太陽光パネルを見極める方法(高温高湿試験)
(出典:AUO)

「現在、世界最高品質の太陽光パネルは?」に対して

現在実用化されている”世界最強パネル”は、Sun Power社の「バックコンタクト方式」太陽光パネルだと思います。Sun Power社の「バックコンタクト方式」の太陽光パネルは初期費用は高いですが、発電量が高く、パネル寿命が長いため、十分に元が取れる投資と考えられます。

<高発電量・パネル長寿命の「バックコンタクト方式」>
世界最強「バックコンタクト方式」パネルの仕組み
(出典:東芝エネルギーシステムズ)

以下、「SunPower社」の高温高湿試験の結果です。

日本の一般的な基準である「高温高湿試験1,000時間クリア」に対して、この太陽光パネルは「7,000時間クリア」。驚愕の数値です。しかも、一般的な基準よりも厳しい「85℃85%」という環境で行っているのが、さらに驚きです。

<”世界最強パネル”Sun Power社の高温高湿試験結果>
世界最高の太陽光パネルの耐久性
(出典:SIソーラー)

Sun Power社「バックコンタクト方式」の太陽光パネルは、複数のメーカーが取り扱っています。太陽光発電システムの業界では、製造元のメーカー名(今回ならSun Power社)は表にでず、販売会社(今回ならAUOや東芝など)のブランド名として販売されることがよくあります。

・Sun Power(サンパワー)
・AUO(エーユーオー)
・東芝
・その他代理店

太陽光パネルの型番に「SPR」の文字があれば、Sun Power製であると推測されます。以下画像は、東芝が販売している太陽光パネルです。型番を見ると、「SPR」と書いてありますね。

<Sun Power社が製造元と思われる東芝の太陽光パネル>
東芝の太陽光発電システム「SPR」
(出典:東芝エネルギーシステムズ)

 

「太陽光パネル(モジュール)の出力保証があれば、安心なのでは?」に対して

結論から言うと、「太陽光パネル(モジュール)の出力保証は無いよりあったほうがいいけど、あったからといって安心できるわけではない」という感じです。

出力保証とは、規定された出力を下回ったら、無償で新品に交換してくれるという保証です。一見、安心そうに見えますが、問題なのが、出力低下を証明する方法。厳密に調べるには、パネルを工場に持ち込まないといけませんが、これ、たぶん誰もやらないですよね?

つまり、出力低下を証明するためにはそれなりの費用が掛かり、そんな費用をかけてまでやるのあほらしくない?となり、ほとんどの人が出力低下による保証を受けることはないと思われます。なので、無いよりあったほうがましですが、あてにはならないと考えておいた方が賢明です。

太陽光発電システム会社からしたら、うまい仕組みですが、施主目線ではなく、完全に販売目線の仕組みですよね。保証適用条件は各社それぞれ異なるので、気になるからは問い合わせてみてください。

あまり当てにならない太陽光モジュール出力保証
(出典:エクソル)

 

②パワーコンディショナー選びに失敗するとこうなる

パワーコンディショナー(以下、パワコン)選びに失敗すると、10年を過ぎたあたりでパワコンが壊れます。太陽光発電システム設置費用の元が取れるのが、だいたい10年なので、元を取ったと思ったら、すぐに修理費用数十万円が発生…となると悲しいですよね。

しかも、パワコンが壊れたら、売電量はすぐに0になりますので、パワコンが故障してから修理するまでの期間は、発電量が0になります。なので、最低でも「20年間は故障しない」であろうパワコンを選択する必要があるわけです。

<パワコンが故障すると売電はゼロになる>
故障すると発電量が0になるパワーコンディショナー(パワコン)

 

SMA・オムロンのパワコンを推奨する理由

SMAは、ドイツの世界最大手のパワコンメーカーで、真空冷却装置という特殊な技術により、世界で唯一、20年故障しないことを想定した設計を実現しています。他のパワコンメーカーは、10~15年故障しないことを想定しています。

<SMA製のパワーコンディショナー>
SMA社のパワーコンディショナー
(出典:SMA)

パワコンは、「機器保証」の年数を確認すると、だいたい性能が分かります。

一般的なパワコンの機器保証が「無償で10年保証・有償で15年保証」に対して、SMAの機器保証は「無償で10年保証・有償で20年保証」です。この5年間の差が、パワコンの性能差と言えるでしょう。

<SMAパワコンの保証内容>

(出典:SMA)

ただし、SMAにもデメリットがあります。日本の店舗網が少なく、アフター対応に不安が残る点です。そんなときは、15年故障しないことを想定した設計を実現している、オムロンが候補になります。

性能的にみると、断然SMAですが、アフター対応に不安がある方は、オムロン製のパワコンを検討しましょう。

<性能もそこそこ高く、アフター対応が充実しているオムロン製のパワコン>
オムロン製のパワーコンディショナー
(出典:オムロン)

 

「出力保証はあてにならないのに、機器保証はあてになるの?」に対して

確かに、太陽光パネルの「出力保証」は、出力低下した太陽光パネルの確認が難しいので、あてにならないという話をしましたね。

では、パワコンの「機器保証」はあてになるのか?という話ですが、結論、あてになります。なぜなら、太陽光パネルと違って、パワコンが故障したらすぐに確認できてしまうため、パワコンの「機器保証」は、無難な保証年数に設定され、保証年数とパワコンの性能が比例しているからです。

出力低下の確認が難しい「太陽光パネル(モジュール)の出力保証」はあてになりませんが、故障の確認が簡単な「パワコンの機器保証」はあてになる、と覚えておいてください。

<出力保証はあてにならないが、機器保証はあてにある>
太陽光発電システムの出力保証と機器保証の違い
(出典:ソーラーフロンティア)

 

まとめ:ちょうどいい塩梅の『太陽光発電システム』は?

ちょうどいい塩梅の「太陽光発電システム」は、以下の通りです。 ※性能を見極めるポイントが専門的内容なので、「太陽光発電システム」に限り、具体的なメーカー名を記載します。

①太陽光パネル(モジュール)
・京セラ
・パナソニック HIT
・シャープ BlackSolar
・AUO(バックコンタクト以外)
・LONGI
・Trina solar
・BYD
・Jinko solar
・NSP
・Solar world
・Talesun
のいずれか

②パワーコンディショナー
・SMA
・オムロン
のいずれか

プロデューサー紹介

master

日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
「瀬山彰 NEXT STANDARD LIFE」
◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
「THE PROFESSIONAL」

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