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家の性能 徹底解説

2019.07.30

屋根・バルコニーのメンテナンス費用を安くするコツ|屋根材・屋根下葺き材・バルコニーの選び方【メンテナンス性能②】

屋根材の選び方を間違えるとメンテナンスコストは増える

 

絶対に選んではいけない建材が、いまだに使われている

雨漏りは、家の寿命を縮めるので、屋根の建材選びはとても大切です。しかしながら、10年と性能が持たない粗悪な建材がいまだ使われている現状があるので、施主の皆さんは知識をつけて、間違った選択をしないようにしてください。

屋根材でいえば、「カラーベスト・コロニアル(化粧スレート)」は絶対に選んではいけないのに、いまだに使われています。屋根下葺き材であれば、「アスファルトルーフィング940」は絶対に選んではいけないのに、いまだに使われています。

10年と性能が持たない建材など、絶対に使ってはいけません。住宅業界の意識改革をするよりも、施主の知識を高めたほうが早いので、施主の皆さんはがんばって勉強してください!屋根・バルコニーについては、選ぶべき建材というより、”選んではいけない”建材を理解することが大切です。

<絶対に”選んではいけない建材”を勉強しよう!>

 

【結論】ちょうどいい塩梅の『屋根・バルコニー』は?

ちょうどいい塩梅の「屋根・バルコニー」は、以下の通りです。

①屋根材 ⇒ 25年保証のガルバニウム鋼板
②屋根下葺き材 ⇒ 改質アスファルトルーフィング
③バルコニー ⇒ 板金防水

※ちょうどいい塩梅の「●●」とは・・・やりすぎずやらなさすぎず。建材のレベルは、ある一定まで上がるとそれ以降は費用対効果が悪くなるので、その手前(最も費用対効果が高いところ)で止めましょう、という”ちょうどいい塩梅主義”に基づいてセレクトされた推奨レベル。

①屋根材の種類

以下、屋根材の種類と、それぞれのメリットデメリットです。

・カラーベスト、コロニアル(化粧スレート)
最も安い材料ですが、基本的に10年に1回程度のメンテナンスと、20~30年での葺き替えが必要になります。これ以上説明する必要がないくらい、メンテナンス性が低い材料と言えますので、これだけは絶対に避けましょう。

強いてメリットをあげるとすれば、費用とデザイン性です。ですが、絶対に避けましょう。これだけ理解していただければ、この記事は読み終わったも同然です。絶対に避けましょう。よろしいですか?

<カラーベスト、コロニアル(化粧スレート)は、絶対に選んではいけない>
選んではいけないカラーベスト、コロニアル(化粧スレート)

・ガルバニウム鋼板
ガルバニウム鋼板のメリットは、軽さ、価格、耐久性など、全体バランスが良いことがあげられます。軽さは全種類中No.1で、地震の揺れには最も強いと言えます。価格は、カラーベストに次いで安く、メンテナンス性も20年間以上ノーメンテナンスで、性能維持可能です。

デメリットは、防音性の低さ、暑さの原因になること、耐衝撃性の低さなどがあります。ガルバニウム鋼板の中でも、グレードがあるので、詳細は後半に解説します。適正なグレードの選択と対策によって、ガルバニウム鋼板のデメリットのほとんどを解消することができます。

<ガルバニウム鋼板の採用率は、年々高まっている>
軽量で耐久性の高いガルバニウム鋼板
(出典:JFE鋼板)

・瓦
瓦は、和風建築には欠かせない材料ですが、費用は高く、重量もガルバニウム鋼板の10倍ほどあるので、最近の採用率はぐんと下がってきています。瓦自体のメンテナンスは基本的に不要ですが、下地のチェックは定期的に行う必要があります。

<瓦の採用率は、年々低下している>
耐久性は高いが、重量がありコストが高い瓦

 

屋根材は「25年保証のガルバニウム鋼板」を推奨する理由

カラーベスト・コロニアル(化粧スレート)は、もう説明するまでもなく、絶対に選んではいけません。

瓦は、決して悪い材料というわけではありません。メンテナンス性においては、ガルバニウム鋼板と同等、もしくは優れていますからね。ただし、重量の問題で耐震性は△ですので、重量に応じた耐震設計を行う必要があります。また、コストもガルバニウム鋼板に比べると高くなります。

ガルバニウム鋼板は、初期コストが低く、軽量であり、20年以上ノーメンテナンスを実現する最もバランスのとれた選択と考えられます。最近では、メンテナンス性が評価され、”お金にうるさい”賃貸マンションのオーナーにも選ばれ始めています。

<賃貸物件に使われるガルバニウム鋼板屋根>
メンテンスコストを重視する賃貸マンションオーナーにも選ばれるガルバニウム鋼板屋根
(出典:大和財託))

ガルバニウム鋼板にも、様々なグレードがありますが、25年保証(穴あき)があれば、最低でも20年、ほとんどの場合30年程度は、問題なく性能を発揮してくれるものと考えられます。建材メーカーの保証年数は、無難に設定されていますからね。

<25年保証のガルバニウム鋼板を選ぼう>
メーカー保証25年のガルバニウム鋼板屋根
(出典:ニチハHP)

ただし、ガルバニウム鋼板にもデメリットがありました。防音性の低さと暑さの原因になることです。ガルバニウム鋼板の中でも、防音性や断熱性能を高めた高級グレードが存在しますが、コストが結構上がるので推奨しません。さほどお金をかけずに、適切な対策はとれるので紹介していきます。

 

「ガルバニウム鋼板は、雨音がうるさく、夏暑くなるのでないか?」に対して

これは事実です。事実ではありますが、対策を適切に行えば、支障がないレベルに持っていけます。

防音性の低さと夏の暑さ対策は、断熱の記事で紹介しましたが、「屋根断熱の厚みを壁の2倍」にすることです。夏の暑さ対策になるだけではなく、防音材としても効果を発揮します。

可能であれば、0.5寸などの緩勾配を避けることも効果的です。雨が垂直に近い角度であたることで音は大きくなりますからね。また、太陽光を設置すると、副産物的ではありますが、防音・断熱性能up効果があります。太陽光パネルと空気層が、防音・断熱材の役割をしてくれるわけです。

<太陽光パネルは南側に設置するので、太陽光からの熱を緩和する効果がある>

「カラーベストの方がよく聞きますけど?」に対して

多く採用されているから、良い建材であるわけではありません。冒頭にも言いましたが、はっきりと言っておきます。「カラーベスト・コロニアル」を絶対に選んではいけません!10年と性能を維持できない商品が多いです。

「カラーベスト・コロニアル」は、10年以上たつと、徐々にこんな感じになっていきます。これを放置すると、雨漏りの原因になります。

<経年劣化したカラーベスト>
雨漏りのリスクが高い経年劣化したカラーベスト

近年、「カラーベスト・コロニアル」の採用率は下がりつつありますが、分譲系の建売住宅や、ローコストの注文住宅会社では、まだ使われていますので要注意です。また、一部大手ハウスメーカーでも、採用されていることが確認できています。

繰り返します。「カラーベスト・コロニアル」は絶対に選択しないようにしてください。

<カラーベスト・コロニアル(化粧スレート)は、絶対にダメ!>

 

「ガルバニウム鋼板って、トタンみたいでダサくない?」に対して

ガルバニウム鋼板には、縦葺きと横葺きがあります。

縦葺きの方がコストも雨漏りのリスクも低いため、オススメですが、見た目がトタンのようだと敬遠される場合もあります。その場合は、コストは上がりますが、横葺きのガルバニウム鋼板にすると良いでしょう。横葺きは、基本的に3寸以上の屋根勾配が推奨なので、注意してください。

<横葺きのガルバニウム鋼板>
屋根勾配に注意が必要な横葺きのガルバニウム鋼板

 

 

②屋根下葺き材(ルーフィング)の種類

屋根の下に水が入ったときに、最後の砦となるのが、屋根下葺き材(ルーフィング)です。なので、屋根だけではなく、屋根下葺き材の選び方も地味に重要なのです。以下、屋根下葺き材(ルーフィング)の種類と特徴です。

・アスファルトルーフィング940
国の最低基準をぎりぎり満たすルーフィング。10年ほどで必要機能を失います。絶対に使ってはいけません。

・改質(ゴム)アスファルトルーフィング
アスファルトに、樹脂やゴムを混入して、止水性や耐久性を高めたルーフィング。

・マスタールーフィング ※商品名
高級な改質アスファルトルーフィングと思っていただいてOK。高価なため、ほとんど使われることはない。

屋根下葺き材の選び方で、重要なのはひとつだけ。「アスファルトルーフィング940」を選ばないこと。以上です!

<絶対に選んではいけないアスファルトルーフィング940>
絶対に選んではいけない屋根下地材(アスファルトルーフィング940)

 

屋根下葺き材は、「改質アスファルトルーフィング」をオススメする理由

アスファルトルーフィング940は、もう説明するまでもありませんね。絶対に選んではいけません。

ガルバニウム鋼板と同様、屋根下葺き材も多くのグレードがあり、上を見ればきりがないのですが、それなりにコストが上がっていくので、必要性能とコストのバランスで考えて、改質アスファルトルーフィングを、ちょうどいい塩梅の「屋根下葺き材」としました。

マスタールーフィングはとても良い商品ですが、屋根下葺き材だけ飛びぬけて高性能にしても仕方ありません。メンテナンス性能の目安は、20~30年のノーメンテナンスなので、改質アスファルトルーフィングで十分でしょう。「改質」という名前が含まれているか?で見極めましょう。

<改質アスファルトルーフィング>
推奨する改質ゴムアスファルトルーフィング
(出典:田島ルーフィングHP)

屋根に関しては、屋根材「カラーベスト・コロニアル(スレート瓦)」と屋根下葺き材「アスファルトルーフィング940」を選ばないことに尽きます。ここだけ知識を持っていれば、屋根のメンテナンスで失敗することはなくなります。

<アスファルトルーフィング940は、絶対に選んだらダメ!>

 

「屋根下葺き材(ルーフィング)の仕様は、住宅会社から説明されますか?」に対して

ほとんどの住宅会社が、説明しないと思います。契約書に添付されている仕様書には記載されていると思いますが、わざわざ説明はしないでしょう。

そんなに大事なら、ちゃんとやっといてよ!と思う気持ちは理解しますが、全ては施主の自己責任。知識で自己防衛するしかありません。大丈夫だと思っても、「屋根下葺き材(ルーフィング)は、改質アスファルトルーフィングですよね?940ではないですよね?」と、必ず確認するようにしましょう。

<「改質」という名前が使われているか?で見極めよう!>
雨漏りを防ぐには防水シート(ルーフィング)選びが大切
(出典:常裕パルプ工業)

 

③バルコニーは、「板金防水」をオススメする理由

続いて、バルコニーです。これまで一般的だったFRP防水・ウレタン防水・シート防水だと、どうしても10年に1回のメンテナンスが必要でした。

そこで登場したのが、「板金防水」という工法です。基本的に、大規模なメンテナンスは不要で、準防火地域での施工が楽ということもあり、都心部を中心に採用が拡大しています。「板金防水」であれば、排水溝の掃除を定期的に行うだけで、30年程度は必要性能を維持できるとされています。

<これまで一般的だったFRP防水は、10年に1回のメンテナンスが必要>
10年に1回程度のメンテナンスが必要なFRP防水

「板金防水にデメリットはないの?」に対して

もちろんデメリットはあります。板金防水のデメリットは、FRP防水に比べて若干費用が高いことと、バルコニーの排水溝が詰まってオーバーフローした時に漏水してしまう点です。

まず、初期コストは、メンテナンス費用を考えると費用対効果の伴う投資と言えます。基本的に、大規模なメンテナンスは不要と考えてもらってOKです。

もう一つのデメリットであるオーバーフローは、排水口に落ち葉などが詰まらないようにしてもらえればOKです。注意してほしいのは、排水口のメンテナンスができない位置に、板金防水を使ったバルコニーを配置しない事です。

排水口のメンテナンスができないと、バルコニーがプール状態になり、水漏れが発生します。なので、板金防水を使ったバルコニーは、排水口を目視できる位置にのみ設置するようにしてください。

<排水口が目詰まりすると水漏れが発生するため、定期メンテナンスが必要>
基本的にメンテナンスフリーの板金防水
(出典:栄住産業HP)

 

まとめ:ちょうどいい塩梅の『屋根・バルコニー』は?

ちょうどいい塩梅の「屋根・バルコニー」は、以下の通りです。

①屋根材 ⇒ 25年保証のガルバニウム鋼板
②屋根下葺き材 ⇒ 改質アスファルトルーフィング
③バルコニー ⇒ 板金防水

プロデューサー紹介

master

日本の家づくり 強化ディレクター

瀬山 彰

筑波大学理工学群数学専攻卒(数理統計学士号)。硬式野球部に所属し、首都大学野球リーグの線形回帰分析を行う。中学高校の数学教員免許を取得。

筑波大学卒業後、日本最大手経営人事コンサルティング会社にて、全国ハウスメーカー・工務店を担当。住宅業界で手腕を振るう中、住宅業界の悪しき文化に疑問を覚え、家づくりの新たなスタンダードを確立することを目標に掲げる。

2015年、「家づくり せやま学校」を開校。“日本の施主を強くする”を合言葉に、施主の知識向上を目的とした講演活動をスタートさせた。「展示場では絶対教えてくれない話が聞けた!」「こんな楽しい授業は初めて!」など、口コミでせやま学校の評判が広がり、各メディアからも注目が集まっている。

関西を中心に年間100件以上の講演をこなしながら、雑誌コラムの連載やFMラジオ局「FMOH!」にて冠番組のDJを務めるなど、活躍の場を広げている。

中学高校数学教員免許、宅地建物取引士、2級FP技能士。3人娘(双子4歳、2歳)。広島県出身、広島カープファン。

【メディア出演】
◾️FMOH!85.1 毎週火曜19:00〜
「瀬山彰 NEXT STANDARD LIFE」
◾️子育て情報誌 「まみたん」対談連載
「THE PROFESSIONAL」

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